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哲学を学んで良かったこと悪かったこと

大学の学部4年間を哲学科で過ごしました。

大学では哲学を勉強すると決めていて、哲学科しか受験しませんでした。

哲学科と聞いてどんなイメージを持ちますか?

よく言われるのは「どんなことやるの?」です。それを攻撃的に「何やってるかわかんない、キモい」と言う人もいます(笑)

哲学科の授業は主に語学、思想史、演習(ゼミ)でした。ゼミは文献購読で、みんなで同じ本を読んで議論する感じです。

この3つをベースに、各領域(認識論や形而上学など)の講義を履修していく形でした。

課題はほとんどがレポート(3000〜8000字くらい)、語学と思想史はテスト形式が多かったです。

今回は私自身が哲学科で、哲学を学んでどんなことを得たのか書いてみます。

良かったこと

1. 文章を書く能力が身についた

まずはスキル的な話です。私自身もともと作文も苦手で、思うことはあっても言葉にできないタイプでした。入学当初は1,200字のレポートすらヒィヒィ言いながら書いてましたが、課題を積み重ねることによってそこを強制的に開発した結果、ちゃんと卒論(20,000字超)も書き上げられました。

2. 答えがないことを考え続ける力が身についた

哲学の問題は答えがないものばかりです。答えが出てしまったら哲学自体が終わります。なので常に暫定的な答えしか出せません。それでも考え続けること、それが哲学という“営み”です。

3. 絶対的なものがないとわかった

相対主義やニヒリズムとも違う感覚で、いろんな思想に触れることでバランス感覚のようなものが身についた気がします。かなり感覚的な話ですが。

4. 自分が何を知りたいか探り当てるのが上手くなった

漠然とした不安やモヤモヤとした感情が、何を原因としているのか、そもそも原因自体ないのか... そういったことを探り当てられるようになりました。内観力や課題抽出能力とも言えるかもしれません。これがある程度つかめれば、これについて調べてみよう、こういう本を読もうと行動に移すことができます。友達から相談されたときに役立つこともあります。

5. 孤独が癒された

こんなこと考えてるのは世界で自分ひとりだけじゃないか?どこにも答えなんてないんじゃないか?と思うことも、偉大な先人がすでに考えてくれて答えを出してくれてたりします。「同じこと考えてる人がここにいた!」という喜びは、哲学をやる醍醐味のひとつです。

悪かったこと

1. 就職の心配をされがち

哲学科あるあるですね。哲学科に行ってもちゃんと就職先はあります!大学のネームバリューに左右される部分もあるかもしれませんが、学科の同期は金融やマスコミに就職していました。

2. 変な目で見られがち

これも哲学科あるあるですが、冒頭の「何してるかわからん、怪しい」がベースにあると思います。義務教育のどこかで軽くでも哲学に触れられたらいいのにと思いますが、なかなか難しいんでしょうね。単発の出張講義でもいいのでやってみてほしいです。

3. 「これって哲学的にはどうなの〜?」という雑な振り

飲み会とかでめんどくさいやつです。なんか深い言葉を期待されて話を振られることが多い。こっちが真面目に回答するとつまらなそうな顔をされるので、うまいボケでかわすか「〇〇さんはどう思います?」で返したりします。

4. ルールや定義を疑う

論理的思考のためには、ルールや定義は議論の土台になります。私自身の性格もあるかもしれませんが、世間一般で良しとされていても、ルールや定義に対して一度はそれを疑ってかかってしまうことがあります。そして「自分は自分、他人は他人」という線引きをしがちです。

5. 集団になじまない人とみなされる

4番目と関連してですが、ルールに疑問を持つ人を敵対者とみなす人は一定数います。こちらにその気は無くても、集団を崩壊させる異分子とされてしまったら厄介です。


思いつく限り書いてみましたが、いかがでしょうか。

悪い面も書きましたが、私は哲学を学んで本当に良かったと思っています。人生の宝を若いうちに手に入れられて幸せに感じています。

私は哲学大好きなので、今後も哲学を身近に感じるような記事とか書けたらいいなと思っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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