映画『かがみの孤城』を見た感想(ネタバレあり)
映画『かがみの孤城』の感想。
大人になることってなんだろう?って悩んでいる、悩んだことのある人におすすめしたい作品。
僕がこの作品を見たいと思ったきっかけは、制作スタジオのA1picturesが以前、似たテーマで『心が叫びがたがってるんだ』を制作。
同じく、監督の原恵一さんも以前の監督作『カラフル』で自殺をした中学生を主人公に扱ってたこと。
上記の作品、2つとも難しいテーマをファンタジーとリアルの中間地点、アニメーションで描くところが面白かった!そしてアニメーションでしかできない演出がはいってたことが見どころ。
このあたりのバランスを今回はどう料理するのだろう?が見たいと思うきっかけだった。
作品自体は日本アカデミー賞にノミネートされて、2023年2月時点で、そろそろ公開もおわりそうなので慌てて劇場へ。
※以下話の具体的なシーンの記載含みながら。
中学生の自分が見ていたら
中学生にとって学校や家という社会の「箱庭」の中で上手く生きていけないということは、本人にとってはとても大きな問題で、、
登場する人物のうち2人は「ある人をいなくしてほしい」と願うつもりだったり、、
10代の生活する範囲が狭いがゆえに「味方がだれもいない」と思ってしまう孤独感。
作中のように「あなたは毎日戦っている」といってくれる大人。クラスでいじめてる人に対して「あいつらはとんでもなく幼稚。きっとあのまま大人になる」と毅然とした態度で言える友人がいたら救われる人達は沢山いるだろう。
僕も学校の団体行動が全然できない(周りに合わせる意味がわからない、、)子供だったので、中学生の頃にみていたらきっと救われただろうなぁと思った。
大人になることって、そう考えたら結構、大変な思いをしてるのね、、、
作中だと城の中での経験が1歩踏み出すきっかけになっていくし、そこでの経験が大人になっても続いていくという気持ちいい余韻の中で終わっていく。
全ての人に大人になることを向き合うステップがあること。
大人になった後も、子供の頃の経験に向き合ってることを考えさせられた。
アニメーションでしかできない演出
「午前9時から午後5時の間以外にこの城に入るとオオカミがでてきて食べられる」というペナルティ。
「自分の家の鏡が光り輝き、城に向かう入口」になっているなどなど。
子供の頃、聞いたことのある寓話ベースの演出が随所にあり、ラスト付近はそういう演出でたたみかけてくるので、寓話が好きな人にはとてもおすめ。
実写じゃできないなぁこういうの、、、
こういう演出ちりばめてるから、リアルな日常の悩みのがより際立ってくるというリアルとファンタジーの交差が見事だった!
※ここから先さらに具体的なシーン。
群像劇って大変
7人も登場人物いるの、どうするんだろ?とおもってた。キャラの説明に時間かかるし、各自を掘り下げる時間いれると、テンポよく話が進行しない、、
初対面の自己紹介をお互いにするシーンで、声と動作で大体の性格つかめた後は、無理に掘り下げるシーンはほとんどなく。
その代わりラストに主人公が全員の過去を共有するというシーンで畳み掛けるように人物の過去の情報が入ってくるというシーンが用意されている。
ラストの盛り上がりにあわせて、人数がいる分だけ効いてくる。ちょっとした日常会話の中にあったエッセンスがここで具体化して見えるので、無理に中盤で掘り下げずともよかったという。
「あ!人多くても、こういうシーン入れておけば、最小限でも話、展開できるんだ」っていうのが面白いなぁと。
お話も序盤で振っていた謎がパズルのようにラストでハマっていく展開が見事できれいに終わりきる構成だった。
オオカミ様のシーンもっと足して
序盤のオオカミ様が可愛くて、、
主人公たちより小さいのに口が悪く、偉そうというギャップ。
お面をつけてる分、身振り手振りでの動きの表現で内容を補おうとするので動きもオーバー。(そしてここの動きがかわいい、、)
出会った時に「ようこそお越しくださいました!」と丁寧にお辞儀したあと、慌てて戻ろうとする主人公を羽交い絞めにして、城まで引っ張っていく。もうこのシーンで心つかまれてしまったんだけど、、
主人公が内向的な性格だから、このキャラが話を展開するんだろうなぁと思ってたら、中盤あまりでてこない、、
出てきてもほとんど動かない、、登場シーンがあまりに可愛く心つかまれてしまったので、出番の少なさが悲しく、、後、2.3シーンでいいから入れてほしかった、、
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