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なぜ驚きを隠すのか

9番地と申します
noteを親が見てくれました
ほっこり
だそうです

今回はことばの疑問について
「驚きを隠せない」
という慣用句がありますが、わたくしは、ふと「なぜその驚きは隠す必要があったの?」「そもそも隠す必要があるの?」と思いました
というわけで「驚きを隠せない」の「隠せない」は、どのような意味合いを持つのか調べてみることにしました

まずは、ネットで調べてみますと、
同様の疑問を持つ知恵袋の質問が数件ヒットしました
結構他にも疑問に思う人はいるみたいです
回答も見てみたところ、以下のようにまとめられると思いました

1.驚きを隠さないといけない場面がある
例えば、話し相手の年齢が思った以上に若かったとき、その驚きが相手に伝わると失礼であるという場合、などです
 基本的に失礼に当たる驚きを隠そうとするということでしょうか

2.日本の文化的に、感情を表に出さないのが美徳であるという考え方からできた表現である
 1と似ています、驚きを隠せないと、はしたないという考えかたですかね

3.隠す必要はないが、驚きの程度を表すためあえて隠すという状況を作っている
 もし、隠そうと思ったとしても、隠しきれないくらいに驚きの感情が強いということを表している、という考え方です

4.人の様子をみて、話者(この慣用句を使う人)が、その人がはっきりと驚きを示す言葉を使って無いが、その様子からして驚いているのでは無いかと、判断する場合に用いられている
 確定的では無いが、様子から驚いているのが滲み出ていることを表しているという考え方だと思います
 ちなみに、他人ではなく、自分の驚きの感情を表す際にもこの慣用句を用いて良いのか、という質問もありました
 普通は他人の様子を表すために使うことばなのでは、という考え方の人も、少しはいそうな予感がします

以上はいずれも、回答者本人の内省や知識から、それとなくなされた推測であると考えられます
特に多くみられるのは1.2あたりかなと思います
4は私が見た限りでは一つしか見られませんでしたが、これは結構カギになりそうな意見だと思い、まとめの中に入れました

上の1〜4を仮説として、次は、少し実例を見てみようと思います
Twitterの検索で、「驚きを隠せない」と検索します(この場合、「隠せません」「隠せなかった」と活用された形は出てきません)
そこで出てきたツイートでの使われ方を、少し見てみようと思います
用例であるツイート内容を、ここへそのまま載せるのは、ツイート主への配慮としてやめておきます
かわりに、自分で作った例文をあげることにします

たった20例ですが、見てみた感想としては


a.〜に驚きを(が)隠せないという形が多い(14例)、"が"は少数派です
例:もう3月になったことに驚きを隠せない

b.驚きを隠せない〜という形がそれなりに見られる(6例)、"〜"には私や人の名前、キャラクターの名前などが入ります
例:3月になったことに驚きを隠せない私

c.bのうち自分ではなく他人(イラストなどのキャラクターも含む)の様子を表すものが見られる(4例)
例:これは3月になったことに驚きを隠せないトリダさん(イラストや動画を指して)


d.文中や、文をまたいで、もう一つ「驚き」ということばを使っているものも少しある(2例)
例:フライパンを変えるだけで美味しさが変わることに驚きを隠せない。ほんとに驚き。

e.驚く内容については雑多にあり、まとめきれなそうである


という感じです
ほんの少しのつかみとしては
「驚きの程度を強めるために用いられやすい」「他人の様子を表す際に用いられやすい」
という仮説3.4の考え方が、現在の使われ方として見ていけそうな匂いがします
理由は、cやdのようなものが、もっと数を見ていけばたくさん出てきそうな予感がするからです

仮説1.2のような、驚きを隠さなければならない場面かどうかまでは、用例の内容だけでは把握しきれないのと、どの用例も隠そうという様子はあまり見られないため(むしろオープンであるような気もする)、「隠さなければ」という考えのもとで用いられることは、少なくとも現在の使い方では、あまりないのではないか、と考えました

より詳しく調べるには、慣用句でない普通の「驚いた」と比べてみたり、あまり見ないような気がしますが、ほかの感情(喜びを隠しきれないなど)も一緒に見てみるのもありかなと思いました
ここではそこまでやりませんが
突き詰めるとキリがありませんからね

ことばの疑問について
今までもいろいろ気になったことがあったので、ごくごく軽くではありますが、調べてみて、これからの記事に記録しておこうと思います
いつになるかは分かりませんが

個人的に面白い記事になると思います

それでは、今日はここまでで

おわり

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