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業務システムのUIの特徴 9 レガシーが継承されやすい

業務システムは“古いつくり”を構造的に継承しやすくなっています。

まず、とくに基幹システムなどは規模が大きく連携するシステムや影響する範囲が広いため、いちどにすべて取り換えたりするのは危険なこともあります。ユーザー企業にとっても、マンパワー的に難しいことも多いでしょう。そのため、全体のロードマップを作ったうえで、部分的に範囲を区切りながらリプレイスを行なっていくことになります。

そして、独自システムまたはパッケージのカスタマイズの場合であっても、費用が高額で開発期間もそれなりに必要になります。その間に技術やトレンドが変化していくのはいたしかたなくもあります。

つぎはぎで改修を重ねてきた結果、深くコアな部分に埋まった古いコードがあっても、もはや使っているのかどうかもわからず、誰にも手が出せなかったりします。でも、思い切ってまったく新しいものに刷新しようとすると、社内のさまざまな部門から抵抗や不安があがってきたりして、ユーザー企業社内に強いイニシアチブが必要です。

UI自体とは直接関係ないかもしれませんが、ソフトウェア投資が会計上資産に計上されるという制度上の制約で、開発その他にかかった費用の償却期間が終わるまでは新しいシステムに置き換えられないということもあります。

それから、これはとても悲しいことなのですが、仕事は面白くて楽しいものであってはならず、そういう堅苦しさをソフトウェアもまとっているべきという“空気”がどこかに存在していて、古く使いにくいシステムを肯定しているようなところがあったりします。

こうした事情のうちいくつかは、とくにオンプレミスの業務システムについて言えるもので、SaaS型のクラウドサービスを必要に応じて組み合わせたものにリプレイスが進みつつある昨今では、すこしずつ状況が改善されていくかもしれません。


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