希望
今の会社は新卒入社した会社で、勤続年数としては十数年になる。就活自体はそこまで苦労なく最終的にはIT業界の複数社から選ぶような形で、今の会社に入社した。
何かやりたくてこのIT企業を選んでたかと言えばそうでもなく、何となくその業種に必要なスキルなどがあれば、少なくとも食いっぱぐれることはないだろうという思いからだった。
希望と言うよりは打算という方が近いかもしれない。
十数年の間には、同業他社への出向も何回か経験した。自社より大きいところも小さいところも、仕事のやり方は多少の差はあれど、必要なスキルについては大差なかった。もちろん、仕事の規模感は異なったが、プロジェクトの進め方だったり、設計書の書き方だったり、プログラミング(言語の違いはあれど)だったり、テストの方法だったりといったスキルがあれば、何となくそれなりの仕事ができるのである。
そういった意味では、入社当初の「業種に必要なスキル」はある程度は身につけられた、と言えるだろう。仮に転職するとしても、同業種であればそれなりにやっていけるとは思う。
さて、今は休職してしまっていて、メンタルクリニックとカウンセリングに通っているわけだが、いずれにしても「いつ復職するのか?(できるのか?)」というのが主題になっている。
復職できるかどうかの判断条件は、何らかの数値などがあるわけではなく、自分自身の主観と主治医や心理士の客観がそれにあたる。
主治医は「焦って早く仕事に戻ろうとする気持ちは理解しますが、そうやって復職と休職を繰り返す人を沢山見てきたし、休職した人には漏れなく、焦りからくるものではなく、"仕事に戻りたい"という希望から復職することを勧めています」と言うし、心理士さんもおそらく「〜の状態なので、復職しても大丈夫だと思います」とは、(少なくとも今のところは)言わないだろう。
しかしながら、そう考えると、私は「仕事に戻りたい」と希望を持つ日が来ることはあるのだろうか?という疑問が湧いてしまう。
もちろん、生活費などの金銭面の問題も付いて回るし、そんな何ヶ月も休んでいられるのか?ということも考えなければならないが、主治医がいうような「復職したいと希望する」というビジョンが描けないのだ。そもそも、仕事が好きだとか、やりがいを感じるだとか、そういう経験はほぼないに等しい。言わば、そんな人間が休職してしまったことで、仕事からの解放を謳歌するかのような状態になっているわけである。
もちろん、休職に至るまでのストレッサーが解決していることが保証されているのであれば、復職しても問題はないのだろうが、人間関係だったり職務環境だったりがストレッサーである場合、組織的になかなかその解決は難しいものであると思う。私が休職してもしなくても、きっと組織としてはあまり何も変わらないだろうことは容易に想像できる。余程のキーマンでもなければ、ただの所属メンバーの一人でしかない人間の復職後のケアに裂けるリソースは限られたものになるのは仕方ない。組織とはそういうものだから。
もし、私が今、復職するとして、会社側に何か一つだけ希望を叶えてもらえるとしたら、どういった願いを望むだろうか?
そもそも、何を望んで休職したのだろうか?
今はそのどちらにも明確な答えを出すことができない。
考え方や価値観の領域なので、カウンセリングでそれらは見つけることができるのだろうか?
果たして、主治医が言う「復職したいと希望する」状態になれるのだろうか?
そうやって、グルグルと思考を巡らせる。
私にとっての希望とは、何なのだろう?
【追記】2024/09/01
今のところの「希望」はこれだろうというものを見つけたので、リンクを貼っておく。
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