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五十音小説「う」

「ぅ…うーん。」

(はぁ、またかよ…)

何度言っても
勝手に俺のベッドに入ってくる5歳下の妹。

2年前に親の再婚で突然出来た俺の妹。


(頼むから自分の部屋で寝てくれ‥)


俺が高校生になって
やっと部屋を別々にしてもらったのに
今でもこうして寝てくるんじゃ意味がない。


はぁ。

と静かに溜息をし、


隣で気持ちよさそうに寝る妹の顔をゆっくり覗く。


そして

妹の顔にかかった長い髪をすくい

そのままゆっくり

自分の唇へと押し付けた。

自分の欲求に比例するかのように

強く。


もう、何度目だろうか。


誰にも言えない。
俺だけの秘密。

この行為も
この気持ちも



妹はどういう気持ちで
ここにいるんだろうか。


"お兄ちゃんのお嫁さんになりたい"


2年ほど前に妹が口にした言葉は
両親が思っているように
子供がパパのお嫁さんになりたいという気持ちと同じ言葉だろうか。





もし、俺と同じだったら…




手を伸ばせば
すぐに触れられる距離なのに。


もどかしい。




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