このブログで掲載している怪談の1%はノンフィクションです。

4月ごろからこのブログを書き始めて早3ヶ月が経った。
現時点で公開している記事が48個。
マニアックな皆様の応援のおかげで続けられている。
この場を借りて感謝を伝えたい。

1から私が考えたフィクションが7割。
私が実際に遭遇した話が1割。
残りの2割は取材のような真似をして集めたものになる。
今日はその取材の際に遭遇した怪談について話す。

誰かに習ったわけでも仕事にしているわけでもなく、
完全に趣味の範囲で行なっているので、
アポもなく突撃で取材することになる。
道端でいきなり怪談を知らないか聞くわけにもいかないので、
スナックや小さな居酒屋、キャバクラ等の夜の店に行って、客や従業員に取材の真似事をしている。

その日は仕事の関係である県に来ていた。
繁華街近くにホテルをとり、
仕事を早々に終わらせて、夜の街に飛び出した。

ぶらりぶらりと飲み歩いてると、
客引きが私に声をかけてきた。
「キャバクラどうですか?」
正直、そのままついて行っても良かったが、
どうせならと聞いてみた。
「なにか怖い話を教えてくれたらお兄さんの店にいくよ。」
客引きは暇だったのかノリノリで教えてくれた。

ここはまあ田舎なんで、
東京とかと比べたら治安は良いんですよ。
ただ、やっぱり田舎でも繁華街なんで、
僕らとか水商売のヤツだとかもいて、
そういうとこにはやっぱりヤーさんとか半グレとかもいるんすよ。

一人ホストがいたんすよ。
どうしようもないヤツだったんすけど、
とうとう店の金パクって飛んじゃったんすよ。
その店が裏にヤーさんがいる店で、
狭い業界なんですぐに捕まっちゃったんすね。
ビルの屋上でボコボコにされて、
最終的に突き落とされて死んじゃったんすよ。
今でもソイツが死んだ時間に、
そのビルの下にいると、
外から叫び声が聞こえてくるんすよ。

「ありきたりな話だなぁ。」
話を聞いた後に正直な感想を述べた。
「今から案内するキャバクラがそのビルにあるんすよ。70分経ったら延長せずにすぐ出てビルの裏側に行ってみて下さいよ。本当に叫び声が聞こえてきますから。」

私をキャバクラに行かせるための営業かもな。
半信半疑でそのキャバクラに案内された。
田舎のキャバクラだったが、かなり綺麗なキャストがついてくれて普通に楽しくお酒が飲めた。

飲み終わったので延長せずに外へ出た。
言われたとおりにビルの裏側へ行ってみた。
「イヤダァアアアアアアアア」
上から金切り声が降ってきた。
え、マジだったんだ…。
呆気に取られてると後ろから声をかけられた。
「酔い覚めちゃったでしょ?もう一件案内させて下さいよ?」

このブログに掲載している怪談は99%フィクションです。

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