受験勉強を全くせずにいた僕は、
名前さえ書けば入れる大学に入学した。

4年間遊びまくってやろうと思っていたが、
周りは僕が思っているよりも真面目で、
遅刻や欠席ばかりの僕は少し居心地が悪かった。

「いつもここにいるよね」
ある日、いつものように喫煙所でサボっていると、
女の子が話しかけてきた。
金髪で水商売風の見た目に少し戸惑ったが、
彼女も僕と同じ様な境遇で、
話してみると妙にソリがあった。

「わたし、マリっていうの」
その日から僕とマリはよくつるむ様になった。

マリは免許を持ってなかったから、
遊びに行くときは毎回僕の車だった。
マリは勝手に携帯を接続して自分の好きな曲を流していた。

2年生になったばかりの頃、
マリを学校で見かけなくなった。
心配になって連絡をしてみると、
遠距離恋愛をしている彼氏と一緒に住むために上京したとのことだった。
それからもしばらく連絡をしていたが、
徐々に疎遠になり、
最終的には連絡が付かなくなった。

ある日のアルバイトの帰り道、
車内のスピーカーから音楽が爆音で流れた。
マリの好きな曲だった。

なんとなく気になってメールを送ったが、
返信は来なかった。

それ以来、毎年同じ日の同じ時間にマリの好きな曲が流れる。

このブログで掲載している怪談は99%フィクションです。


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