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もしかしたら今の私は無かったかもしれない夢の話

私の見る夢は持病の関係でだいたい悪夢なんだけどこれは社会人になり車の免許を取った頃に見たマジで怖い夢の話です

事故を起こしたかもしれない夢

これは社会人1年目、初めての仕事場がいわゆるブラック企業で毎日朝は8時出勤し退勤は定時5時なのに何故か帰宅時間は夜中の2時で残業代が一切ない負の文化みなし残業とかいう給料13万で働いてる頃の話で(あの会社には恨みしか無い、また後日にこれは詳しく書きたい)食欲もだんだん無くなり唯一、車の中で少しだけお菓子を摘む程度で一日の栄養を補っていた。
その日、起きたのは確実に遅刻の時間。飛び起きてバタバタしながら制服に着替えて車に飛び乗って車で40分の職場へ走る。
職場まではだいたいは道は空いててある程度は巻き返せるんだが問題は会社前にある踏切。この踏切が曲者でここをタイミングよく通れなかったら10分近くはロスしてしまう。
ちょうどぎりぎり、踏切をタイミングよく通れば遅刻回避!という時にカンカンカンカン…………と聞こえてくる。焦った私は無理にでも通りたくてアクセルを強く踏み込んだ。


ドンッッッ!!

私は一瞬何が起きたのかまったく理解ができず割れた車のガラス窓を眺めた。後から周りの叫び声や泣いてる声が聞こえてきた。震える足で車を降りればそこには近くの保育園へ通う幼い女の子が血まみれで横たわっていた。
そう、私が轢き殺したのだ。



後のことは頭が真っ白で言われるまま警察に連行され、まずは留置所に通されたり事情聴取されたり、完全に私にしか過失がないので全面的に私が悪いということ、女の子は即死だったこと、母親は精神的苦痛や色々とあって訴えるということ、まだまだたくさんあったがあまり覚えてない。覚えられないくらいの情報がただただ流れていく。
はっきりわかるのは私は犯罪者になったという事実とこれから裁判で実刑が下ること。ただ遅刻したくないだけで私は取り返しがつかないことを起こして刑を受ける身になったんだということを冷たい監獄の中で天井を見上げながら考えた。
お母さん、泣いてたな。自分のスピード狂が遺伝で移ったから、ごめんねと謝ってきた。私が悪いのに。
お父さんは無表情だったな。叩き上げで今まで頑張ったのに最近酷いことで会社から失踪扱いで退職金も無かったのに私でさらに追い打ちだよね。
妹は来ることなかった。そりゃそうか、こんな姉はいらないよな。
あぁ、もう一度あの朝に戻りたいな。











起きたのは確実に遅刻の時間。飛び起きてバタバタしながら制服に着替えて車に飛び乗って車で40分の職場へ走る。職場まではだいたいは道は空いててある程度は巻き返せるんだが問題は会社前にある踏切。この踏切が曲者でここをタイミングよく通れなかったら10分近くはロスしてしまう。ちょうどぎりぎり、踏切をタイミングよく通れば遅刻回避!という時にカンカンカンカン…………と聞こえてくる。
だが私はあの長い長い悪夢を見たせいで車を走らせる気力を無くしていた。これが悪夢で同じ事故を繰り返すくらいならせめてここでは車を停めよう………と停車して踏切をぼんやり眺めながら遅刻の理由を考えていた。だが私は息を呑んだ。

踏切を笑顔を振りまきながら渡るあの保育園へ通う幼い女の子と母親がゆっくり歩いていた。



私はまだこの夢から醒めないまま、今まで生きてきた。今生きてるこの時間がパラレルワールドなのか、事故を起こした世界から移動したのか、タイムリープしたのか。ただの夢だったのか。今となってはわからない。
ただ、お陰様で免許証はゴールドであることが無事故であるというのが確認できる方法なのかもしれない。


車検高くてやだなぁって車で思い出した思い出話でした。

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