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将棋が熱い

将棋の王将戦第2局で、羽生九段が藤井五冠に勝利した。

藤井五冠は、高校進学をやめてまで将棋の世界に入り、毎回素晴らしい快挙を遂げている。 

試合のたび、休憩中に食べたスイーツを提供したお菓子屋さんがニュースになっている位だ。

その話題の藤井くんに勝てない羽生さんが、今回はなかなかの反撃のようだ。

https://www.dailyshincho.jp/article/2023/01250601/?all=1

記事には、どのように指されたかが細かく書かれている。

将棋には詳しくない私でも、
一手に、1時間半や、72分使った、というフレーズが極めて稀、だとわかる。

それだけではない。

羽生さんの指し方が、今までとは違うようだ。

記事にある、福崎九段の言葉が興味深い。


「羽生さんが永世七冠や国民栄誉賞の名誉もかなぐり捨てるかのように、新人棋士の如く若者に挑戦している姿は本当に素晴らしい。」

藤井くんは、AIがどう打つかをかなり研究しているらしい。

もちろん、それに勝つためには自分のカンや個性がなければ答えは導かれない。

だが今回の勝負での藤井くんは、羽生名人に及ばなかった。

まだ第2局で、完全な勝負はついていないが、この羽生さんの勝ちは大きなものだ。

将棋の世界を支えるほどのキャリアがあり、年齢も50代の者が、敢えて若者に立ち向かわんとの戦い方をしているらしい。

私は、羽生善治を見直した。

と言うには、あまりにおこがましいかも知れないが、言わせていただきたい。

どんなヒトでも、どんな年代でも、チャレンジすること、やって見ようと考えて、やる、やってみる。
その立ち向かわんとすることの
美しくさよ!
素晴らしさよ!!
そして感動が沸き起こるのだ!!!

私自身が、いつも前を向いて走っているヒトだから、羽生さんの気持ちにとても共感する。

藤井くんに勝ちたいから?


いや違う

彼は、自分に
勝ちたいのではないか。

結果として相手があり、敵に勝つことにはなるのだが、
それはつまり、過去の自分よりも高みへ行こうとする己自身との戦いを制す人間の本能ではないか。

子どもの頃には気づかずに生きるために進み続けているはずなのに、大人になると適当にこじつけて、気がつくと後ろばかり見ることに慣れ、未来の先にあるものを見ようともしなくなっている人の多いことよ。

私は、羽生名人の何が何でもなりふりかまわず勝とうとする姿勢に、自分を重ね合わせた。


明日はどんな日だろう。


明日がいつものようにやって来ればそのことに感謝し、昨日とは違う今日を精一杯もがいてみるぞと、将棋の世界の1ページから学ばせてもらった。

第三局がまもなく始まる。

もはや勝敗よりも、ふたりの指し方の芸術性を評価すべきではないだろうか。




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