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ザオリク図書館 青空文庫版「雪の女王」レビュー

 無料で読める青空文庫、その中で何かとリメイクされることの多いアンデルセン童話「雪の女王」を読みました。このお話の内容、ちゃんと知らなかったんで。
 青空文庫シリーズで電子書籍(見たのはBookLive!版)が出てる本作、欧米版の挿絵付きで、なかなかお得な一冊です。
 翻訳者(楠山正雄先生)の文体がかなり古いんですが、今となっては、逆にそれがいい味になってます。恋愛の比喩に「ちんがらもんがら」とか、もう使わないって(笑)

 内容的には北欧の女の子ゲルダが一人旅に出て、子供が欲しい魔法使いのおばあさんに捕まって逃げ出したり、王子と王女のカップルに支援を受けたりしながら、幼馴染カイを雪の女王から助け出すという王道ストーリー。
 あとゲルダの味方なんですが、追い剥ぎの娘のキャラクターが凄くいいですね! なんかTVアニメ・ニンジャラのルーシーに性格が似てる(笑)まあ、わかる人にしかわからんネタ。
 この追い剥ぎ娘、アンデルセン先生もお気に入りなのか、終盤でも美味しい役どころです。

 ところで肝心の大ボスですが、雪の女王さんは、随分あっさりカイを取り戻されちゃったなー。もっと大掛かりなラストバトルがあるかと思ったけど。よもや、海外出張の留守を突かれるとはね。
 まあその前段階で、ゲルダも色々難題クリアしてるんだけど。
 二人が帰郷した後の、ラストのほっこり感は、美しい挿絵もあってなかなかです。キリスト教の賛美歌のエッセンスが効いてますね。
 童話の割に、読み応えもあり、0円電子書籍なのでおすすめです。


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