見出し画像

【読書記録】2023年3月5日〜3月11日

 みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
 人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。

 遅ればせながら先週くらいから本屋大賞2023のノミネート作を読んでいます。なんでしょ、今年は「毒親」が流行りなんでしょうか?

 …ということで、今週出会った本たちをご紹介します。

【2023年3月5日〜3月11日に読んだ本】

●汝、星のごとく

著者 凪良ゆう
【内容紹介】
 ☆2023年本屋大賞ノミネート☆
【第168回直木賞候補作】
【第44回吉川英治文学新人賞候補作】
【2022王様のブランチBOOK大賞】
【キノベス!2023 第1位】
【第10回高校生直木賞候補作】

【ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2022 第3位】
【今月の絶対はずさない! プラチナ本 選出(「ダ・ヴィンチ」12月号)】
【第2回 本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞 ノミネート】
【未来屋小説大賞 第2位】
【ミヤボン2022 大賞受賞】
【Apple Books 2022年 今年のベストブック(フィクション部門)】
などなど、賞&ノミネート&ランクイン多数!

その愛は、あまりにも切ない。

正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。
本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。


ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。

風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。

ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。
版元ドットコム 書誌情報より

【感想】
 それぞれタイプの違う毒親に振り回される櫂と暁海。二人は出会い恋に落ち….。凪良さんお得意のLGBTQ問題や「田舎の島」という閉鎖された空間での息苦しさ、成功と挫折、ヤングケアラー問題、ちょっといびつな形の家族など、とにかくたくさんの社会問題がギュッと凝縮された物語でした。エピローグで明かされるタイトルの秘密はなんとなく想像がつきましたが、その前のビッグイベントは、なんというか「何もそこまで…」と。

●宙ごはん

著者 町田そのこ
【内容紹介】
 この物語は、あなたの人生を支えてくれる

宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいるのは「さいこーにしあわせ」だった。
宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづけた。
全国の書店員さん大絶賛! どこまでも温かく、やさしいやさしい希望の物語。
版元ドットコム 書誌情報より

【感想】
 〝光のとこにいてね〟、〝汝、星のごとく〟に続き3作連続で毒親の話とは、
 ただ、どの物語にも毒親が登場するものの、前2作品に比べこの物語が私の中では一番グッときました。
 なぜだろう。
 やっぱり毒親がただの毒親ではなくて、なぜ毒親になったのかが丁寧に描かれていたし、みんな最後は前向きに一歩進むからでしょうか。
 やっぱり温かくて美味しいご飯を、ゆっくり味わって食べることって大事なんだと、つくづく思いました。
 それにしてもやっちゃん最高!!想いを継いでくれる人がいて本当に良かった。読み終えてふわふわのパンケーキが食べたくなりました。

●風待ちの四傑 くらまし屋稼業

著者 今村翔吾

【内容紹介】
 霙ふる師走のころ、夜討ちの陣吾と呼ばれる裏の世界で畏れられている男が、平九郎の露店にやって来た。
呉服屋の大店「越後屋」に勤める比奈という女性を晦まして欲しいという。
一方、極寒の「夢の国」に送られた「虚」の一員・惣一郎は、敵の襲来を待ちわびていた──。
江戸と「夢の国」で繰り広げられる平九郎・迅十郎・惣一郎・そして今一人・・・・・・、暗黒街の凄腕たちの人智を超えた超弩級の壮絶な戦い。
興奮と感動必至。直木賞作家の本領、天下無敵の大人気エンターテインメントシリーズ。
裏表紙より

【感想】
 くらまし屋稼業第八巻。
 今回新たに明かされたのが、虚が造ろうとしている「夢の国」の大まかな場所。
 ….とすると虚のメンバーである惣一郎が戦って、最後は共闘した弓使いのレラはあの民族か?
 つかみどころのない惣一郎の今後が気になるところですが、今回のメインは、なぜか時代劇の悪役の定番、「越後屋の悪巧みに気づいた女性をくらませる」という依頼を受けたくらまし屋、とそれを狙う幾人もの刺客との激闘の物語。
 個人的には剣はからっきしダメだが人探しの技術に長け、ネゴシエーター的な才能も持ち合わせる黒犬こと玄九が、くらまし屋の第四のメンバーになるのかが気になるところです。

●帰結風 春

著者 重松清
【内容紹介】
 古いひな人形が、記憶の中の春とともに、母の面影を思い起こさせる「めぐりびな」、子どもが生まれたばかりの共働きの若い夫婦が直面した葛藤と、その後の日々を鮮やかに描き出した「ツバメ記念日」など、美しい四季と移りゆくひとの心をテーマにした短篇集「季節風」シリーズの春物語。旅立ちとめぐり合いの12篇を収録。
裏表紙より

【収録作品】
めぐりびな
球春
拝復、ポンカンにて
島小僧
よもぎ苦いか、しょっぱいか
ジーコロ
さくら地蔵
せいくらべ
霧を往け
お兄ちゃんの帰郷
目には青葉
ツバメ記念日

【感想】
 実はこの本は再々読です。
 2月の終わりくらいから5月末までの「春」がテーマの12編の短編集。
 主人公は高校を卒業して地方から東京に旅立つ少年たち、子供が生まれたばかりの夫婦、中年のサラリーマンなど、性別も年齢も様々で、もしかしたら自分の隣を歩いているかもしれないごく普通の人たち。
 みんな何かを抱えていて、その気持ちがなんとなく自分にも身に覚えがあって、読みながらジワッときてしまいました。
 読書メーターのレビューをみると「ツバメ記念日」「さくら地蔵」「おくりびな」の評判が高いようですが、12編全てハズレなし!
 今回特に心に残ったのは、鉄道事故で亡くなった中年男性に自分の人生を重ねるフリーライターの話「霧を征け」の最後。ライターが語る善意の嘘に対する父親の言葉に涙でした。

●おいしい味の表現術

瀬戸賢一 編
味ことば研究ラボラトリー
【内容紹介】
 もう味の表現に困らない!食のおいしさを伝えるのが楽しくなる1冊!コク・キレ・のどごしの意味は?生チョコの「生」って何?など味にまつわることばを言語のプロが深掘り、徹底分析。さらにカレーやラーメン、お菓子の味を、比喩やオノマトペをを駆使して効果的に表す方法を伝授。応用自在の表現術です。引用した名文やグルメ漫画のセリフも味わい深い本書。さまざまなレトリックに驚かされ、日本語の面白さも堪能できます。
裏表紙より

【感想】
 美味しさの表現を言語学的に分析し解説した本。
 特に漫画における美味しさの表現を
  ①説明ゼリフ
  ②モノローグ
  ③心象風景描写
の3つに分類しているのが面白い。なるほど〝美味しんぼ〟のあの表現は説明ゼリフに分類されるんですね。
 その他にもビールにつかわれる「コク、キレ、のどごし」の話とか、そうそう、アサヒスーパードライのキャッチコピーだったか「コクがあるのにキレがある」はちょっと不思議に感じていました。
 これ以外には彦摩呂さんの食レポ表現の話とか、カレーライス、ラーメン、そしてスイーツのオノマトペなど、とにかく感心することしきりの内容でした。
 とりあえず「ウマい」と「ヤバい」以外で美味しさを表現する努力をしよう。
 それと本文では触れられていないけど「普通にウマい」や、「全然ウマい」は褒め言葉ではないと思うのは私だけでしょうか?

●はじめて学ぶ生命倫理

著者 小林亜津子
【内容紹介】
 医療が高度に発達した現在、自分の生命の決定権を持つのは、自分自身?医療者?家族?それとも法律?生命倫理学が積み重ねてきた、いのちの判断をめぐる「対話」に、あなたも参加してみませんか。
裏表紙より

【感想】
 そろそろ親の、いや可能性としては自分のゴールも考える年齢になって、学び直しの意味で手に取った本書。
 末期がん患者の命の選択、宗教と輸血の問題、中絶とどこからが「人」なのかという問題、結合双生児の分離手術、植物状態の人間の生存権と意思決定権の問題、そして種差別の問題など、様々な角度から「命」について考えていく本です。
 どの問題も明確な回答はなく、それぞれの立場から、そして様々な角度からこの問題について議論していくことが大事だと感じました。
 そして本文中に度々登場する漫画〝ブラックジャック〟。やはり手塚治虫氏は偉大な人物なのだと再認識しました。

【まとまらないまとめ】

 いかがでしたか?
 今週は、本屋大賞2023ノミネート作2冊、時代小説1冊、新書2冊、そして再読1冊というラインナップでした。
 この記事は小説が先、新書を後に紹介しているので、実際に読んだ順番ではないのですが、時代小説、いわゆる「チャンバラもの」を読んだ後に生命倫理の本を手に取るという節操のなさに、我ながら呆れます。

最期に
 読書っていいよね。


いいなと思ったら応援しよう!