【読書記録】2023年3月5日〜3月11日
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
遅ればせながら先週くらいから本屋大賞2023のノミネート作を読んでいます。なんでしょ、今年は「毒親」が流行りなんでしょうか?
…ということで、今週出会った本たちをご紹介します。
【2023年3月5日〜3月11日に読んだ本】
●汝、星のごとく
【感想】
それぞれタイプの違う毒親に振り回される櫂と暁海。二人は出会い恋に落ち….。凪良さんお得意のLGBTQ問題や「田舎の島」という閉鎖された空間での息苦しさ、成功と挫折、ヤングケアラー問題、ちょっといびつな形の家族など、とにかくたくさんの社会問題がギュッと凝縮された物語でした。エピローグで明かされるタイトルの秘密はなんとなく想像がつきましたが、その前のビッグイベントは、なんというか「何もそこまで…」と。
●宙ごはん
【感想】
〝光のとこにいてね〟、〝汝、星のごとく〟に続き3作連続で毒親の話とは、
ただ、どの物語にも毒親が登場するものの、前2作品に比べこの物語が私の中では一番グッときました。
なぜだろう。
やっぱり毒親がただの毒親ではなくて、なぜ毒親になったのかが丁寧に描かれていたし、みんな最後は前向きに一歩進むからでしょうか。
やっぱり温かくて美味しいご飯を、ゆっくり味わって食べることって大事なんだと、つくづく思いました。
それにしてもやっちゃん最高!!想いを継いでくれる人がいて本当に良かった。読み終えてふわふわのパンケーキが食べたくなりました。
●風待ちの四傑 くらまし屋稼業
【感想】
くらまし屋稼業第八巻。
今回新たに明かされたのが、虚が造ろうとしている「夢の国」の大まかな場所。
….とすると虚のメンバーである惣一郎が戦って、最後は共闘した弓使いのレラはあの民族か?
つかみどころのない惣一郎の今後が気になるところですが、今回のメインは、なぜか時代劇の悪役の定番、「越後屋の悪巧みに気づいた女性をくらませる」という依頼を受けたくらまし屋、とそれを狙う幾人もの刺客との激闘の物語。
個人的には剣はからっきしダメだが人探しの技術に長け、ネゴシエーター的な才能も持ち合わせる黒犬こと玄九が、くらまし屋の第四のメンバーになるのかが気になるところです。
●帰結風 春
【収録作品】
めぐりびな
球春
拝復、ポンカンにて
島小僧
よもぎ苦いか、しょっぱいか
ジーコロ
さくら地蔵
せいくらべ
霧を往け
お兄ちゃんの帰郷
目には青葉
ツバメ記念日
【感想】
実はこの本は再々読です。
2月の終わりくらいから5月末までの「春」がテーマの12編の短編集。
主人公は高校を卒業して地方から東京に旅立つ少年たち、子供が生まれたばかりの夫婦、中年のサラリーマンなど、性別も年齢も様々で、もしかしたら自分の隣を歩いているかもしれないごく普通の人たち。
みんな何かを抱えていて、その気持ちがなんとなく自分にも身に覚えがあって、読みながらジワッときてしまいました。
読書メーターのレビューをみると「ツバメ記念日」「さくら地蔵」「おくりびな」の評判が高いようですが、12編全てハズレなし!
今回特に心に残ったのは、鉄道事故で亡くなった中年男性に自分の人生を重ねるフリーライターの話「霧を征け」の最後。ライターが語る善意の嘘に対する父親の言葉に涙でした。
●おいしい味の表現術
【感想】
美味しさの表現を言語学的に分析し解説した本。
特に漫画における美味しさの表現を
①説明ゼリフ
②モノローグ
③心象風景描写
の3つに分類しているのが面白い。なるほど〝美味しんぼ〟のあの表現は説明ゼリフに分類されるんですね。
その他にもビールにつかわれる「コク、キレ、のどごし」の話とか、そうそう、アサヒスーパードライのキャッチコピーだったか「コクがあるのにキレがある」はちょっと不思議に感じていました。
これ以外には彦摩呂さんの食レポ表現の話とか、カレーライス、ラーメン、そしてスイーツのオノマトペなど、とにかく感心することしきりの内容でした。
とりあえず「ウマい」と「ヤバい」以外で美味しさを表現する努力をしよう。
それと本文では触れられていないけど「普通にウマい」や、「全然ウマい」は褒め言葉ではないと思うのは私だけでしょうか?
●はじめて学ぶ生命倫理
【感想】
そろそろ親の、いや可能性としては自分のゴールも考える年齢になって、学び直しの意味で手に取った本書。
末期がん患者の命の選択、宗教と輸血の問題、中絶とどこからが「人」なのかという問題、結合双生児の分離手術、植物状態の人間の生存権と意思決定権の問題、そして種差別の問題など、様々な角度から「命」について考えていく本です。
どの問題も明確な回答はなく、それぞれの立場から、そして様々な角度からこの問題について議論していくことが大事だと感じました。
そして本文中に度々登場する漫画〝ブラックジャック〟。やはり手塚治虫氏は偉大な人物なのだと再認識しました。
【まとまらないまとめ】
いかがでしたか?
今週は、本屋大賞2023ノミネート作2冊、時代小説1冊、新書2冊、そして再読1冊というラインナップでした。
この記事は小説が先、新書を後に紹介しているので、実際に読んだ順番ではないのですが、時代小説、いわゆる「チャンバラもの」を読んだ後に生命倫理の本を手に取るという節操のなさに、我ながら呆れます。
最期に
読書っていいよね。