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~心に寄り添うために/臨床心理学概論~ 科目解説Ⅱ

こんにちは、くろさきです。
二つ目の解説も概論の講義となります。

1.臨床心理学のイメージ

臨床心理学と言われてまず思い浮かぶのはカウンセリング、人物名としてはフロイトユング、アドラーなんて名前が浮かぶ人が多いと思います。興味を持って調べた人の中には認知行動療法なんて言葉を見たことがあるかもしれません。
臨床心理学やカウンセリングは、うつや心の病が広まるにつれてイメージが先行してしまった、誤解されていると言ってもいいほどの違いがあります。
まずは、皆さんがイメージとして持っている臨床心理学と、実際の心理学はかなり違うということを頭において欲しいと思います。

また、臨床心理学の講義を受けることで得た知識によって心理療法をすぐに行えるわけではありません。人の心に寄り添うためには知識だけではなく技術守るべきルールがあります。

この記事では臨床技術には触れずに、どんな心理療法があって誰が始めたのかに関して紹介していきます。

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2.実はたくさんある臨床技法

カウンセリングと言う言葉が独り歩きしていますが、カウンセリングは相談・助言と言う意味ですので、心理療法だけではありません。
そもそも、カウンセリング自体が心理療法の1つに過ぎないのです。
たくさんある心理療法の中でも今現在盛んに行われ、授業内でも絶対出てくる両方をまとめてみました。

1.精神分析療法
フロイトとセットで名前だけは一番効いたことがあるかもしれない心理療法です。
オーストリアの精神科医フロイトが創始し、ヒステリーの治療として行われました。
リビドーと呼ばれる無意識下に抑圧された欲求(性的なエネルギー)に注目し、自由連想法を行いました。
フロイトの創始した精神分析は、週に4~5日行われ、高額な治療費が必要になるなどの負担の大きく、現在では週1回40~50分行う精神分析的心理療法がメインとなっています。

2.分析心理学
一時期はフロイトと共に研究していたユングが生み出した心理療法です。
フロイトが性的エネルギーに注目していたのに異議を唱え、より幅広い心的エネルギーをリビドーと呼ぶことにしました。
また、人間の無意識には元型と呼ばれる共通したイメージがあると仮定し、原型に投影されたコンプレックスと向き合うことが人間の成長だと考えられています。

以上二つは、心理学者ではなく精神科医が生み出した心理療法になります。
20世紀初頭と言うとこともあり、宗教や哲学の影響を強く受けていますが、臨床技法としては長く続いており重要です。

3.クライエント中心療法
アメリカの臨床心理学者カールロジャースが提唱した心理療法になります。
特徴的なのは、患者ではなく相談に来た人として扱うことです。ですので、患者ではなくクライエントと呼ぶことになっています。
また、クライエント本人が自分に目を向け、問題を解決するだけでなく、一人の人間として成長する力、自己実現傾向を持っていると考え、カウンセラーはクライエントの主体性を理解し支えることが最も重要だと考えています。

4.行動療法
学習心理学の学習理論を応用して生まれたのが行動療法になります。人間の問題行動は、問題行動を学習している、もしくは適切な行動を学習できていない結果であると考え、問題行動の消去、適切な行動の学習を行う形で行動変容させます。
学習理論では、レスポンデント条件づけオペラント条件づけ社会的学習の3つのタイプを利用した様々な両方があります。

5.認知行動療法
行動療法認知療法をもとに心理学の成果を応用したのが認知行動療法になります。各療法で研究された技法を組み合わせた「治療パッケージ」によって心のケアを行います。
元にした両方の一つである認知療法は、認知の歪みを明らかにして、現実に即した広い視点での考え方が得られるような支援を行います。また、パッと頭に浮かぶイメージ(自動思考)がより幅広く現実に即するイメージが浮かぶよう支援します。
また、禅の要素を取り入れたマインドフルネスなど、新しい概念も有効であればとりいれていきます。

とくに有名な5つの心理療法を取り上げました。
心理療法は1つをとっても奥が深く、今回の紹介では説明不足な面も多々あります。
また、療法それぞれが目指すゴールも違い、期間も十数回で終われば、数年かけることもあります。

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◆参考文献
〇心理学検定基本キーワード[改訂版]
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