見出し画像

心の反発を生む2つの条件【ブーメラン効果】

今日はもうガツガツの心理効果、心理メカニズムに関するお話をしていきます。今日のお話は「ブーメラン効果」です。

いかがでしょうか? みなさんは心理学や心理術にご興味をお持ちの方が多いと思うのですが、「ブーメラン効果」をお聞きになったことがあるんじゃないでしょうか。関係するものとしては、心理的リアクタンスですね。

「ブーメラン効果」は、相手を一生懸命説得する・納得させようと言葉を重ねれば重ねるほど、相手の中に反発がおこる。そして、逆の行動をしてしまうという現象のことですね。

これ、よくブーメラン効果を説明するときに、自分の小さかったころの話とかするんですけれど、僕の体験です。

「勉強をやれ」という母親に対して、自分は多くは漫画を読んでいましたね。ゲームはありませんからね。ジャンプやチャンピオン、マガジンを読んでいたり、テレビ観ていました。「このテレビを観終わったら、漫画のここまで読み終わったら、宿題をやろう」と思っているときにかぎって、うちのお母親が「あんたいつまで漫画よんどるの? いつから勉強はよやりゃあ!」と名古屋弁でいってくる。

そんなときに、「これが終わったら宿題やらないといけないな」と思っていたのに、それをいわれたがゆえに「絶対やらない」「宿題なんか絶対やらない」と。相手が「こうさせたい」と思う行動の逆の反発がでてくる。これを「ブーメラン効果」といいます。

僕は結構ブーメラン効果の体験があるなと思っていますが、みなさんはどうでしょうか。どうしておこるかというと、人は「これをやりなさい」といって行動を強制されたり、誰かから押し込まれると、それに対して「自分の自由が侵された」あるいは「奪われた」と感じる。この「感じる」のは無意識下でおこっていることです。感じるから、やる気を失ってやらなくなってしまう。

あと、僕は店舗で接客をやっているので、接客の場面でいうと「これいいですよ」「最後の1つですからどうですか? お買い求めになりませんか?」といわれるほど、「ちょっとほしいな」と思っていたのに「絶対買わない」みたいなものが強くなっていくのもブーメラン効果の1つです。

さて、このブーメラン効果でおきやすい2つの条件があると最近知りました。何で知ったかというと、本を読んだんですよ。「犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉」という本です。SB新書がだしている本で、書かれている先生が出口保行先生という方です。犯罪心理学者。

1985年、東京学芸大学大学院 教育学研究科 発達心理学講座を修了して、国家公務員上級心理職として法務省に入った、みたいなすごい方です。その後、少年鑑別所や拘置所で犯罪者を心理学的に分析をすることに従事をされた。犯罪心理学の先生です。

この先生が「ブーメラン効果がおきやすい条件が2つある」とおっしゃっています。1つは「説得者と同じ意見であるとき」もう1つが「説得者を信用していないとき」。この2つです。なんかわかるようなわからないような、みたいなものが僕の中にでてきました。

「説得者と同じ意見であるとき」は、これちょっと不思議ですよね。なんか反発したくなるときって、自分と説得する人。たとえば、子供だとすると、オカンとかね。あるいは買い物にきたお客さまだと、接客してくる店舗の人とか。その意見が違うときに反発したくなるのではないか、と考えてしまいますね。

でも、ブーメラン効果で考えるとそうじゃないよ、と。「今自分がそうしようと思っていたのに……」というときにブーメラン効果がおこる。「今宿題やろうと思っていたのに」というときに、オカンが「何やっとんの、早よ宿題やりゃあ」というと方向性は一緒ですよね。

この方向性が一緒のときにブーメラン効果が起こって、逆の行動をとろうとしてしまう。これはたしかにいわれてみると、ブーメラン効果は意見が同じときにおきるなというのを改めて思いました。

なので僕が思ったのは、たとえばスタッフや、仲のいい友達、あるいは身近にいる人たち、そんなような人たちに対して、自分が「これやればいいのにな」と思ったことを簡単にいってはいけないということを、ちょっと改めて自分をいさめることになりましたね。

だって、その人がやろうと思っていたのであれば、僕がいうことによってブーメラン効果がおこり、「やらない」となるわけですから。言い方を考えないといけないなという、自分の中で大きな気づきでした。

もう1つの「説得者を信用していないとき」は、たしかにそうだろうなと思います。この出口先生がおっしゃっているのは、初めて会った人に説得された場合、言葉を重ねられたら反発したくなるのがふつうですよねということ。あるいは、不信感をもっている人。ここはすごくわかりやすい。そりゃそうですよね。

出口先生、つづけて「逆に信頼している人から『なんとかしなさい』といわれたら、『強制されている』『自由がおかされている』と感じません」と書いてあるんですよ。僕はちょっとここで「あれあれ?」と思いました。だって、子供と母親は信頼関係を築けていますよね。

それでも今自分がやろうと思っていることに、母親が「これをやりなさい」といっていきたら反発する。どんなに信頼関係があっても、近しい関係であっても、自分が今やろうと思っていることをいわれてしまったときには、ブーメラン効果というのはおきるんじゃないかな。というのが僕の考え方です、これはね。

ブーメラン効果がおきやすい2つの条件。1つめ「説得者と同じ意見であるとき」、2つめ「説得者を信用してないとき」。この2つには僕は全面的に賛同します。ただし「2人の間に信頼関係があれば『ブーメラン効果』が発動しない」、この部分に関してはちょっと違うんじゃないかな、と思っているのが僕の意見です。

僕も店のスタッフたちに何かを頼むとき、心がけたいなと改めて思ったのですが、「ブーメラン効果」がおきないように、どう声をかけていけばいいのかということを、たった1つだけでも意識することが大切だということ。相手の自己肯定感にもいい影響がでるのではないか、と。そんなことを思いました。

いいねやフォローをありがとうございます。この記事はVoicy 『聴くだけで「使える」心理学』から抜粋し、読むだけで使っていただける記事として掲載しています。本編音声はこちらから↓↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?