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下手なプレゼンは「説明」し、上手いプレゼンは「〇〇」する

今日は「上手なプレゼン」のポイントです。僕が主宰しているサブリミナル心理学研究所でも、何年も続けているテーマで、お伝えすると心を打つプレゼンができるようになっています。なので、本当にたくさんみなさんにお話したいのですが、ポイントを絞ってお伝えしたいと思います。

ポイントの1番目「相手を見る」、2番目「前提を入れる」、3番目「喚起する」、4番目「散りばめる」、5番目「余白を使う」。大きく見るとこの5つです。今日は、5つを全て説明するのではなく、上手いプレゼンの人は何をしているか、3つ目の「喚起をする」ということについてお話をしていきたいと思います。

さっそくですが、思い起こしていただいて、つまらない人の話や耳に入ってこない人の話は往々にしてそのものを説明していることが多くないですか?たとえば、気になる商品があったとします。

それがスマホだとして、「このスマホってどこが特徴なんですか?」と聞かれたとします。「このスマホは液晶がこういうもので、プロセッサーがこういう風になって、こういうカメラ機能があって……」と機能をずっと説明されるとよくわからないな、と思いますよね。「もっとよくわかるように話してよ」と、気持ちが離れてしまうことはあると思います。これが説明というものです。

人は説明をされると耳が閉じる。そう心理メカニズムができているとお考えいただいてもいいのではないかと僕は思っています。そうではなく、イメージさせることです。「今度のこのスマホは何がいいんですか?」、「いろいろいいところあるんですけれど、一番スマホを使われるときは何ですか?」、「そうですね……最近だと動画を撮ったりします」、「動画ですか。今までだとこういう風にして撮れていた動画が、こういう風によくなるんですよ。あるいは編集がこうなるんですよ。夜の撮影とかでこうなるんですよ」と見せてもらえると、「すごい!これは欲しい!」となりますよね。これが「喚起」というものです。その人の中から行動を生み出すイメージを与えるということですね。

スマホの場合だとやって見せるのが一番わかりやすいですから、喚起の中の最高のものですよね。実演販売の実演にあたるものです。なので、プレゼンが上手い人たちは、使えるものは全部使うことをやっています。見せれるものだったら全部見せる方がよりイメージが喚起されるわけです。プレゼンが下手な人は何でもかんでも言葉で説明しようとしがちです。プレゼンの場に持って来られる物があるならば、持ってきてやって見せる。

試食が最たるものかもしれないですね。「この食品はとてもおいしいですよ」、「すごくおいしいですよ」、「どうおいしいかというと…」と味を説明されるより、「まあまあ、1度食べてください」と、食べてもらう方が最も喚起されます。「わー!おいしい!」、「ほしい!」となるわけじゃないですか。そのようにイメージをさせる。体験をさせる。それによって行動を生み出していくというのがプレゼンが上手い人だと思います。

ここまで説明してきておわかりになったと思いますが、プレゼンにはゴールがあります。相手に何かをして欲しいわけです。わかりやすいのは「物を買って欲しい」ということだと思いますけれど、そうではなくとも「何かに参加してほしい」、あるいは「チーム一丸となって明日から頑張る」とかね。具体的に目標があると思います。電話を何本かける、新規の顧客開拓を何本やるとか、ほかにも作業であれば何時間でどれぐらいの作業をこなしていくか、いろいろゴールがあると思います。そこに向かってそのプレゼンを聞いた人が実際の行動を起こしてくれる。これがゴールなのではないでしょうか。

その実際の行動を起こしていくことを考えたときに、繰り返しになるんですけれども、説明は行動を起こしません。頭でその説明を聞いて「A+BはCなんだ。そうですか」で終わっていくことが往々です。「このスマホはどこが優れているんですか?」、「カメラがアップグレードしました。こういう風に優れています」とか。「プロセッサーがこういう風に早くなりました。優れています」、「液晶がこんな風に割れにくくなりました。優れています」と言われても「なるほど」となることがほとんどだと思います。それが自分にとってどういいのか、それを使ったらどういういいことがあるのかが喚起されないからですよね

つまり、コピーライティング的な問題でいうと「メリット」「フューチャー」。特徴ではなくてベネフィットを語れ、ということになってきます。使う人にとってどんないいことがあるのかを語らなければいけない。それも説明ではなく、相手にイメージをしてもらうように語らなければいけない。

そうすると相手の中に「これほしいな」、「こういうことが手に入るんだったら、ぜひやってみたいな」とイメージが広がって「やります。どうしたらいいですか?」、「参加します」、「買わせていただきます」みたいなことで行動が生まれてくるということです。

さて、ここまで長々と

プレゼンの上手じゃない人は説明をしてしまい、プレゼンの上手な人はその人にとってのベネフィットを喚起させる、イメージさせるような言葉を使う

ということをお話してきました。では、実際にどうしたらいいのということですが、最も簡単な方法は「たとえば」という言葉をつけるということですね。

スマホだとしたら、「このカメラはすごい高性能になったんですよ。カメラがこういう風に高性能になりました」と言いますよね。向こうがキョトンとしたような顔をしたら、「たとえば、今まで夜の撮影は結構暗くなっていませんでしたか?それがこのスマホを使うと、ものすごく明るく撮れるんですよ」や、「たとえば、ポートレートを撮られるとき、今度の新しいのだと後ろがぼかしながら撮ることができるんですよ。ちょっとプロっぽい、美しく撮れるよになります」という具合で、「たとえば」をつけていくわけです。

「たとえば」のあとにくるのは事例か事実みたいなものですので、説明を補強するもの、実際に起こったこと、喚起に結びついてくることなんですね。もちろん、喚起の話し方は他にも様々なやり方がありますが、まずはこれ。説明が長くなったなと思ったら、必ず「たとえば」を入れましょう。イメージを喚起しろ。そのために「たとえば」を多用する。すぐやれますので、ぜひ。

【5つのポイントすべてはこちらで説明しています】
1番目の「相手を見る」、2番目の「前提を入れる」、4番目の「散りばめる」、5番目の「余白を使う」ということについては、Voicyプレミアム放送の『P066~P069』のなかでお話をしています。

▽P066上手いプレゼンスキル#1(有料放送)

いいねやフォローをありがとうございます。この記事はVoicy 『聴くだけで「使える」心理学』から抜粋し、読むだけで使っていただける記事として掲載しています。本編音声はこちらから↓↓


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