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お金とどういうスタンスで付き合うか?

さて、みなさん。今日はお金のお話です。いかがでしょうかね。今日、僕がここでお金についてお話をするのは、最近の物価上昇があったからという話ではなくて、お金とどういうスタンスで付き合っていけば良いかという、1つのアイディアになればと思いました。今回は、僕がビジネスを始めるときに、経営者だった父から教わったことを交えてお伝えしていきます。

僕が会社員の仕事を始めたのは、大学に通っていた21〜22歳のときです。大学を卒業する少し前ぐらいから。そこから4年ぐらい経ったときに「独立をしよう!」と、自分で初めて会社をつくりました。そのとき店をやっていた父に、「僕は会社をやめて独立するんだ!」と伝えました。

独立といっても、そのときはグラフィックデザイナーとして独立をしたので、別に店舗をかまえるわけでも、仕入れがいるわけでもありません。手元にあったお金だけで、「僕はデザイナーとして独立しますよ」と旗揚げすれば独立できました。1人ではなく、3人で1つの場所を借りて、そこで各々が独立分業制で進めていました。

父に報告をしたときに、僕はこう言われました。

「これから長い人生で仕事をやっていく中で、まず1番最初に決めなきゃいけないことがある。それは君が『事業家』を目指すのか、『金満家』を目指すのか、どっちなんだ。ということだ」

そのときは何のことか分かりませんでした。ひらたくいうと「事業家」は事業を大きくしていくということです。事業を大きくしていくと、個人にはお金が貯まりにくいですね。

たとえば、1つのビジネスを行って、大きくお金が入ってきたというときに、事業家であればその入ってきたお金を元手にもっと事業を大きくしていく。先行投資をしていくわけじゃないですか。それで事業を大きくしていくので、個人としては手元にお金は残りにくいですよ、ということ。

反対に「金満家」というのは、お金を個人に残していく。事業は大きくしていきません、と。まあまあ自分が食ってちゃんと潤うような規模にとどめて、そしてお金は全部自分の元に貯まっていくように考える。これが金満家ですよ、と。

さっきの事例でいうなら、何かビジネスがあたってお金が入ってきても、事業投資しません。それはすべて自分の財産として、自分のところに貯めていく。これが金満家のスタイルです。

どっちがいいとかどっちが悪いとかじゃない。これはもう好きずき。自分の生き方です。「さあ、あなたはどうするか。自分で決めなさいよ」と言われました。

みなさんはどうですか。あなたがビジネスをやっているかは分かりませんが、もし自分がビジネスを立ち上げるとして、どっちの方向でいこうと思いますか。僕はもう考えるまでもなかったですね。事業家でいこうと思いました。

僕ひとりではなく、たくさんの人たちと一緒に、仲間やスタッフと仕事をやっていきたかったし、その仕事をやる以上に自分のビジネスは大きくしたかったというのが根底にあって、自分のところにお金をためていくことで、僕自身は幸せが感じられるとは思わなかったのです。なので、「事業家でいきます」と即答しました。

今から考えてみると、僕の父はどちらかというと事業家ではなく、金満家だったんですよね。はっきり金満家だったかもしれません。そのころ、金満家に良いイメージなかったんですよ、僕はです。「自分のためにお金をどんどん貯めていくのってなんなの?」と思っていました。「金満家」という言葉の響き自体が、ちょっと嫌だなとずっと感じていました。

ところが、父が他界したときです。僕や母、弟や僕の子供含めてですけど、多くのものを父は残してくれました。その時、これは「金満家」という言葉ではなくて、「どこに愛情があるんだ」「どこに自分の主軸があるんだ」というただそれだけのことじゃないかと思いました。自分が還暦を迎えてその歳になって思うことですよね。

僕は事業家をやってきました。アイウェアブランドのMonkeyFlipをつくって、26年です。事業規模は大きくはありませんが、自分の思うようなところの第一歩、第二歩ぐらいまでは来れている自負もあります。

けれど、父と同じように僕が子供の息子に残していけるものを、個人として蓄えられたかと言えば否ですよ。ダメですよ。それってどうなんだろうなと思うわけです。

どちらの道が良い悪いではありませんが、本当のところで自分は事業をしていきたいのか、それとも愛する家族や大切なもののためにお金を残していきたいのかということは、本当に本当の自分の生き方と直結する問題です。ここを考えていかないと、お金に対するスタンスはできてこないということをつくづく思います。

それは、もっとひらたくいうと『稼ぐのか』『貯めるのか』という問題と同じではないかなと思います。

事業をやっていくには、たくさん稼いでたくさん使わなければいけないと僕は思うんですね。事業でお金が入ってきた。そのお金はやはり投資していかなければいけない。それは機械や広告、商品とかね。商品開発や人材にもです。それで事業を大きくしていくわけです。

僕は事業家を目指して、僕の経営能力が足りないからかもしれませんけど、その中で、個人としてお金を残していくことを考えることができなかったんですよね。手元にお金があると、先行投資。「何かいろいろなものに投資したい!」と思ってしまうわけですよ。

だから、僕いろんな人から言われます。自分でも稼ぐ能力はあるけれども、稼いだら稼いだだけ使っちゃう。貯める能力がほとんどないです。でも一方、貯める能力がある人は、そんなに大きく稼がなくてもキチッとお金を貯めていくことができる人だと思うんですね。

うちの父が本当にそうでした。稼いで、稼いだお金を使わない。そのお金を株式投資や、不動産投資など、いわゆるお金にお金を稼がせながら、がっちりお金を貯めるのに長けていた人だと思います。それはもちろん良い意味で、です。使ったら貯まりませんからね。

入り口は大きいけれど、出口も大きいのか。入り口はそこそこで、出口をキチッと閉めていくのか。それはどっちが好きかという問題もありますし、どう自分が自分の人生を生きていくか大きな問題とも直結している、答えやすい1つの問いだと思います。ぜひお金とのスタンスを考えるときには、この問いに答えることを考えてみてください。

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