夜に感じる。「帰りたいなあ」と。
どこへ帰りたいのかはわからない。ただ、ここではない「どこか」。
ずっと居場所がない感覚を抱えている。それは物心ついた頃から、感じていた。
漠然とした寂しさ。漠然とした虚しさ。ひたすら感じる、途方もない孤独感。
記憶がある頃から気がつけば絵を描いていた。
それは絵を描くのが好きだったから、といえば、そういうわけでもないような気がする。たぶんあの漠然とした孤独感から絵を描くという行為に至ったのではないかなと思う。気を紛らわせるための手段だったのかもしれない。
この謎の孤独感は何なのだろう。
そして生まれてこの方、妙な違和感をずっと抱えている。
絵を描いていたので、自然の流れのようにアートに関心を持った。
不登校になってからたくさんの本を読むようになった。
音楽もたくさん聴いた。映画もたくさん観た。
学校に通う皆のようにはできなかったけれど、私は私の時間を過ごし、やがてそれは知識になり、今では私の強みになっていると思う。当時は現実逃避だったかもしれない。それでも今思えば、あれはあれで良かったんだなと思う。
色んな伏線を回収している気分。あの時あれがあったから、あの時あれが起こったから…。だから今がある。だから今の私が在る。
孤独だったからできること。
孤独だったからできたこと。
意外とたくさんあるじゃん、と今だから思う。
当時はただただ現実から逃げたいがために色んな世界を見たくて、とにかく色んな世界を知りたくて。毎晩毎晩夜更かしばかりしていた。でもそれで良かった。それが良かった。
叶うなら、当時の私に声を掛けたい。そのままでいいよって。他人と違っていいし、他人と同じことをしなくてもいい。
そのままのあなたでいいんだよ、って。
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