個人的なことは政治的なこと:『マリア・ブラウンの結婚』(1979)によせて
本作は、ヒトラーの肖像画が爆撃で吹き飛ぶ象徴的なシークエンスに始まり、ドイツ連邦共和国の歴代首相の顔写真…アデナウアー、エアハルト、キージンガーをネガで、そしてシュミットがネガからポジにフェードオーバーしたところで幕を閉じる。(ただし、その中にヴィリー・ブラントの写真はない。これは、発展が続くことに懐疑的な態度をとっていたファスビンダーが、ブラントに関してはその限りではなかったことを示そうとしたためと考えられる)。その間に本作の舞台である、不在の男たちに代わって女たちが主体