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時空を超えたメッセージ

 「この石たちは、どうも自分が活用するような気がしないんです。どうすれば良いですか?」
というご質問をいただいていました。彼女が、故岡本氏からフィッティングしてもらった石はアンデシンとムーンストーン。彼女の最愛のご主人を亡くした後のことでした。
 (この石の特徴などについては、宮城アキラ氏の解説をどうぞ。)

 彼女が自分で活用する感じじゃないというのを私もぼんやり感じていましたが、はっきりと掴めない。なんだか遠くに意識が向かうのを感じていました。
それから数日経ったある日。私に強烈なメッセージが届きました。
私は、すぐさま彼女にメッセージしました。

『アンデシンとムーンストーンは、
その二つ一緒にご主人の御仏前にお供えください。
ご主人の御霊(みたま)のために働くと伝えられました。
そして、ご主人のルビーはこの世に生きる人のために働くと。』

 そして、私はそのメッセージを伝えた後に思い出したのです。誰にも伝えていなかったことを。
 彼女のご主人は、生まれつきの心臓のご病気で、幼い頃に大手術をして生きることができるようになりましたが、医師からは二十歳まで生きられるか、という話だったそうです。彼女たちが結婚するときに、彼のご両親から「いつまで生きられるか、わからない。それでも結婚するのかよく考えて。」と言われたそうです。そして、彼女はそれを承知の上で覚悟を決めて、彼と結婚したのでした。そして、彼らに男の子と女の子が生まれました。結婚して、子どもを授かり、彼女はプロフェッショナルな仕事もこなすスーパーウーマンでした。幸せを絵に描いたような毎日にも、悩みはあり、特にご主人様とのコミュニケーションがテーマだったように記憶しています。お互いに一番大切なことは言葉にしないところがあったのでしょう。でも、どこか根底では深いつながりが伝わってきていました。どんな時も、彼女は「家族」を最優先するのです。ご主人の転勤が決まった時も、家族全員で一緒に引っ越しました。その新しい地で、彼らは東日本大震災を体験しますが、それ以上に大変だったのは、ご主人のご病気が急に悪化し、入院となったのです。
 その頃、私は、仙台を拠点にしていましたが、震災後の2012年に東京にも拠点を持つことになり、月の半分は東京、仙台と行き来していました。その時にご主人の病気に関してヒーリングやリーディングをご依頼されることがあり、ご主人の意識とコミュニケーションする機会を与えられました。ご主人の魂は、非常にポジティブでパワフルに、「早く元気になって家族の柱として、これからも頑張っていきたい」と力強く語ってくれていました。私は、それを感じて、この機会にあの世へ還ることはないのだと確信して疑わなかった程でした。肉体的にはかなり辛そうでしたが「生きる」「家族と共に生きるんだ」と気力に満ちていたのです。一方で、靈氣を送ったときに感じるご主人の様子なども伝わって来る。気力は満ちているのに肉体的にはどんどんお辛くなっていくのを感じていました。
 そんな時に、2012年秋のこと。宝石とのご縁があり学び始めることになったのです。まだ宝石のことが学び始めたばかりでしたが、どうしても生きたいというご主人の魂の願いを叶える方法はないかと思っていたので「これなのかもしれない!」と思い、彼女に伝えました。きっと、それどころではなかったかもしれませんが、彼女から許可をいただき、私がフィッティングしてご主人様にお渡しすることになりました。その時、師匠である故岡本氏は海外出張中とのことで、私が最終的に決断させてもらうことになりました。初めて誰かのフィッティングに携わることとなりましたが、最初に提案されたのは80万円のルビーでした。
「いいえ、高価な石は、今勧められません。」
確かにその石はとても素晴らしい石だったけど、ご主人の魂と共鳴しているような氣もしませんでした。いろんな石を見せていただいて、私はハッとしました。アンデシンとムーンストーンが反応したのです。ものすごい安らぎが広がり、同時にそれは私に、ご主人の魂は還ることを決意したことを教えてくれた瞬間でした。私は心の中で受け入れきれず「でも生きたいのですよね??」と聞きました。答えは「生きたいです。まだやり残したことがある。」というので、「小さめで、強いルビーをお願いします。」とお願いして出していただきました。その時にそのルビーだけでは力が弱かったため、師匠のお嬢さんが察してピンクダイヤモンドを提案してくださいました。心の中で「これだ!これでご主人が生きてやりたいことができるかもしれない!」と、ルビーとピンクダイヤモンドを持って新幹線に飛び乗り、彼女のご主人様が入院している病院へと直接伺ったのでした。私の心の中では、元気になって家族と一緒にまた生活できるのではないかという期待がありました。それは私のエゴだったのかもしれない。でも、魂とコミュニケーションしてくれた時のポジティブな印象が忘れられなかったのです。
 ICUは、親族以外面会不可でしたが、幸い私の姓と彼らの姓が同じだったので、親戚ということで直接お会いしてお渡しすることができました。だいぶお身体はお辛かったでしょうに、でも、短い時間でしたが、張りのある力強いお声でご挨拶してくださり、その日から、大切なご主人の石として、ご主人の側にその石たちがいてくれることになりました。看護師さんたちも理解してくださって、その石たちはずっと側にいてくれました。少し後に師匠からのグリーンガーネットも加わりました。
 闘病の後、ご主人は天国へと還りました。ご主人が亡くなる前に、彼女に伝えたそうです。感謝の気持ちを。きっと彼女は、どうして今なの、いつでも言えたじゃない。と思ったかもしれない。でも私は、ご主人が言ってた「やり残したことがある」それは、彼女への想い、家族への想いを伝えることだったのだと、胸がいっぱいになりました。あのルビーとピンクダイヤには、ご主人の愛がいっぱい詰まっている。
「命のバトンだよ、あとは任せたよ。
ずっと見守っているよ。
愛しているよ。」

 その石たちが彼女のリングになり、いつも見守ってくれています。ご主人が亡くなった時、二人のお子様たちはまだ小学生。彼女はご主人の闘病中から、何度も、彼女はさまざまな決断をしなければならないことが山ほどありました。誰よりも毅然と判断し、ご主人と家族を支え続けてきました。そして、ご主人亡き後、大切なお子様たちを育てていく過程でも、何度も、何度も、決断し、支え続けてきました。ご長男さんが高校受験の直前になんと心不全になるという病気が発症し、彼女はどれだけ不安だったことでしょう。その病気を支え合って乗り越え、難関高校に入学、そして、日本で一番の超難関大学にもストレートでご入学など、家族で乗り越えたその場面にいつもご主人様が見守っていてくれていたことでしょう。
 
 そして、先日のアンデシンとムーンストーンのご質問をいただいたのも、何かタイミングだったのでしょう。

『アンデシンとムーンストーンは、
その二つ一緒にご主人の御仏前にお供えください。
ご主人の御霊(みたま)のために働くと伝えられました。
そして、ご主人のルビーはこの世に生きる人のために働くと。』

 ご主人の御霊は、時に家族を照らす太陽となり、時に寄り添う月となる。
この世で家族となり、そのたくさんの学びを整理し、更に深い理解をすることで進化するために。
そのためにこの石たちは働くと。
その時が来たのだと。

 私の初めてのフィティングで独断で「まだダメ!やり残したことがあるのでしょう。しっかり生きているうちにやりたいことをやり切って!」と思って、後回しにしたアンデシンとムーンストーンが彼らのところに来ることになったのも、巡り巡って繋がっていく。

石に意志があるような、
石の意志なのか、
石の背後にある計らいとして石が運んでくれるというか。

それを繋いでいけることが本当に有り難い。

 ご主人と彼女は、生年月日の数秘が9で同じ。彼女がご主人の姓になった時のローマ字で算出する数秘も全く同じ。
「生前は不思議に思っていたけれど、今は二人でひとつだったのが納得できる」とおっしゃっていました。出会いの不思議と奇跡ですね。

 ルビーは命のバトン。生きている家族のために。
そのシルシとしてのルビー。
愛だなぁ、愛。

 石は、種類によって傾向性や教科書的な意味合いがあるけれど、それ以上に、縁が結ばれることで宿る命があるように思うのです。だからフィッティングが興味深いし、その後のドラマは千差万別で更に興味深い。人生はドラマ以上にドラマ。そこに登場する石という生命体もまた運命的な出会いなのだと関われば関わるほど痛感するのです。あの世とこの世、目にみえる世界と見えない世界を結ぶことは、私にとってやはり天職なのかもしれないと、この壮大な宇宙の采配を見るにつけ、背筋が伸びると同時に心が躍るのです。

 それにしても、最初のフィッティングで起こっていたこと、私が気づいていたことを10年以上もお伝えしていなかったことをお許しください。伝える時はタイミングが全てだと感じているところがあって、余計なことは伝えないようにしています。それは余すところなく受け取って欲しいという私の祈りだと理解していただけると幸いです。



 

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