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変化変容するもの 変わらないもの

 20年前に自宅の片隅でカウンセラーとしての活動を始めて、歴代のお客様がいる。自宅からのお付き合いは、開業して僅か半年でお部屋を借りたから50人はいなかったかもしれない。しかも最初の2ヶ月は、カウンセリングができる日が圧倒的に少ないくらいの状態だった。私は、あっけらかんな感じで「まだ私がカウンセリングをやっているということが認知されてないのだから当たり前」と、その時、時間があるからこそ、できることをせっせとやっていた。
 勉強も、ホームページ更新も、ビラを作って置いて貰えるように近所の施設を回ったりもした。ビラを置いてくれるところがほとんどなくて、難しさを感じたけど、それもまた「これじゃないんだ」とわかって、「ハイ!次!」という感じだった。自分がやっとなりたい自分、やりたいことができて、心は希望だらけだった。
 そして半年後には、部屋を借りて自分の城を持った。スターライトというマンション名(現在は名前が変わってしまった)。暗闇の中で光る小さな光がなんともカウンセリングルームとしていいんじゃない?!なんてワクワク。
 このスターライトに移ってからの、クライアントさんの増え方が凄かった。あっという間に予約が埋まり、2ヶ月、3ヶ月先まで埋まってしまった。この時期にたくさんの方とお会いすることになる。このスターライト時代のクライアントさんは、私のカウンセラー人生も見てきている人たちだ。
 38歳のまだ若い私の初々しい頃からの歴史。私はその頃、まさに水を得た魚のようだった。ただただ前を見て、目の前の人に寄り添った。その人を知りたくて全身全霊で喜びの中で時間を共有した。私を最高に輝かせる舞台に燃え尽きるのではないかというほど心躍らせ、毎日、愉しかった。
 その頃からお付き合いがある方が銀座にいらした。もう嬉しいよね。スターライトから、移転しても、必ず一回は来てくださって。

 そのかたは、初めてお会いした時に、私を見た瞬間に涙した。そして、いつも私に会うと、毎回泣く。泣いて、笑ってくれて、また泣く。何かが喜び、弾けて涙になる。
「癒しかな。」と彼女が言う。
 私と会ったら即座に感じるもの、氣づくこと、もうこれで終わりでいいのではと思うほどw、いつも一瞬で受け取ってくれて嬉しい。

 彼女曰く、初めて会った私は「初々しくて、ヨチヨチだった。それがよかった。」と言ってくれた。私を初々しいとか、ヨチヨチとか思ってくれる人が存在する。可愛いw私を知っている。
 最近では、自分でも「迫力」が全てみたいに感じていて、可愛らしさも大切だよなぁと思っていた。ところが彼女は、今日の私を
「(最初に会った)あの頃みたい。変わってないですね。」と言っていて、この貫禄の塊の私の純粋性を見てくれて嬉しかった。
 カウンセラーとして真っ裸みたいだった私は、この20年で、勝手に好きでいろんなものを背負って走り、また削ぎ落として、脱ぎ捨ててきたんだ。きっと。
 それでも一貫した久美子イズムみたいなものはずっと流れていると感じてくれて、いつもクライアントさんたちに
「久美子先生は、何をしても、どこにいても久美子先生なのですね」
と言っていただけて嬉しい。

 私は、何も教えない、その人の中にあるものを引き出す手伝いをするだけ。そのために私は私を最大限生きる。目の前の人が、自分自身がよく見えるように。多くのクライアントさんと紡いできたかけがえのない時間、瞬間が今の私の中に生きていて、生かされている。

 

 

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