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ただの一般人ですが、英語版Amazonに自著を出版しました

 海外進出なんて、自分には無縁なものだと思っていた。しかし最近、友人たちの海外進出が著しい。

 ある友人はドバイでの個展を開くため、人脈作りに勤しんでいる。ある友人はバルセロナへ飛び、自分の活動を広めている。
 そして最近出会ったある人は私の一歳下なのだが、近年まで世界中を飛び回っていたらしい。率直にいって羨ましい限りだ。

 もちろん私にも夢がある。自分の小説が翻訳されて海外の書店に並び、世界中のファンが熱狂する。そして私はサイン会という名目で世界を飛び回って……。
 現在は兆しも見えないが、私の小説が書籍化されれば不可能ではない。

 ただし時間がかかりすぎる。身近な人間がこうも簡単に海外進出していると、置いていかれた気分だ。

 なぜ自分は海外進出できないんだろう。できるとして、こんなに時間がかかる?
 もし今、自分が海外進出するとしたら、何をしたらいいんだろう。今の自分にできることは何だろう……。

 そう思っていたある日、私のTwitterにコメントが。台湾からの読者で「この本を読んで、とても気に入りました!!」と書かれていた。

 私はkindleで、これまでに二十冊以上の電子書籍をセルフ出版している。
 中でも私がアレンジした占いは本当にサクッと占えて、講座をもとに作った占い入門書は国内でも好評だった。
 その本に感動したと、その人は感想をくれたのだ。

「海外で、私の本を見てくれている人がいるんだ!」

 衝撃だった。海外で売上があった時、てっきり現地の日本人が購入しているんだとばかり思っていた。しかし違った。国籍が違う人が私の本を読み、喜び、そしてわざわざコメントまでくれたのだ。これほど嬉しいことはない。

「よし、多言語で出版しよう!」これならできると思った。

 こうして、私のセルフ海外進出プランが決まったのである。

 まずは第一弾として、アメリカ版Amazonで英語版の電子書籍を発売する。

 最初の問題は「英訳」だ。Amazonでは適当な翻訳を嫌っている。Google翻訳などのソフトを使わず、プロに翻訳してもらった原稿を用意しなければならない。
 つまり金がかかる。引っ込みがつかなくて依頼することにしたが、今月の生活費が吹っ飛んでしまった。

 しかし、金さえあれば後は楽。いつも通りに出版準備を進めて、思い立ってから二週間ほどで出版できてしまった。あまりのあっけなさに、肩透かしを食らった気分だ。

 だがここで、最大の問題がやってくる。発売の前段階(出版準備中)から、いくら経っても進まないのだ。本来72時間以内に発売されるのに、五日経っても発売されない。

 調べたら、「原稿データの言語設定」を英語にしないといけないらしい。普段電子書籍を作っている時は、まったく気にしていない部分だった。
「こんなこともあるのか」また一つ勉強になった。

 この修正がまぁ大変で、出版を投げ出したくなるレベルだった。

 面倒だったが、なんとか解決。無事に出版できた頃には「かけがえのない体験をしたものだ」と思えた。この短時間でスキルが身につき、ブログのネタも増えた。正直オイシイと思った。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とはよくいうが、本当に言い得て妙である。

 そして8月12日。満月の夜に、私の初の英語版電子書籍が発売された。

 発売した結果は……まったく売れない(笑)
 まだ三日しか経ってないから仕方ないともいえるが、よく考えたら当たり前だ。誰も私を知らないんだから。
 苦笑とトホホの中間のような、変な笑いが出た。

 ただ、国内での反響はスゴかった。告知したツイートに寄せられたリプは、どれもが「スゴイ!」と私を褒めた。
 中には私より格上のライターさんや、前出した世界中を飛び回っている知人もいた。私からしたら「いや、金払ったら誰でもできるよ」と思ったが、それはここだけの秘密にしておく。

 また、本書の宣伝のために、初めて英語でツイートした。反応はイマイチだが、まさか自分が英語でツイートすることになるとは。必要に迫られると人は成長するというが、本当にその通りだと思った。

 今のところ、他に英語で出版できるような自著はない。しかし最近新たに作った講座は、一波乱ありそうな内容である。海外向けの第二弾に最適かもしれない。

 さて、これからどうなるか。さらに一歩踏み出すのが、今から楽しみである。


こんなところまで読んでくださって、ありがとうございます!