村上春樹(1949-)が「もう一度観たい」と1985年に書いた〈3本のアメリカ映画〉
私は『野良犬の罠』と『銃口』は未見。『殺しの分け前』の評価は◎傑作。
--------------------------------------------------------------------------------------◆『野良犬の罠』(1968/米/P.J.) [未ソフト化]
◆『銃口』(1967/米/Gunn) [未ソフト化]
◆『殺しの分け前 ポイント・ブランク』(1967/米/Point Blank)
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村上春樹と川本三郎の共著『映画をめぐる冒険』(1985年/講談社)の村上による「まえがき」に、《だから六〇年代の映画もマメに観ている。しかしこの頃観て気に入った映画をあげていくとキリがないので割愛。ただしブレーク・エドワーズの『銃口』とジョン・ブアマンの『ポイント・ブランク』とジョン・ギラーミンの『野良犬の罠』の三本は、もう一度観たいので、できることなら是非ビデオ化してほしいと思う。》と書いてあります。6~7頁。
『殺しの分け前』は映画ガイド本の『B級ビデオ発掘カタログ』(1988年)と『このビデオを見ろ!』(1988年)という、共に古本屋で購入した信頼できる本で評価されていて知り、90年代後半にレアな中古ビデオを発見して鑑賞。
当時の世相にも映画史にも通じていませんが、動画を見ると『銃口』と『ポイント・ブランク』の主人公はかなり「オッサン」臭い。この制作された頃から「ニューシネマ」の時代を経て「若者」が主人公に変わるのだろうか。
3本の映画の関連リンク集
◆『野良犬の罠』(1968/米) [未ソフト化]
『マイシネマハウス アメリカ映画2280選』(1980年)掲載の映画評を引用。
海外の評価 ※アメリカでも知名度が低いらしく、ロッテントマトは未評価
オリジナル予告篇
ポスター
日本版ポスター
◆『銃口』(1967/米) [未ソフト化]
米国の人気テレビ番組『ピーター・ガン』(1958~61年)の映画化作品のようです。映画版は米国でも[未ソフト化]。テレビ映画の『ピーター・ガン』(89)は観ましたが、ピンチでも軽口を叩く、お気楽な「私立探偵」ものでした。
海外の評価 ※アメリカでも知名度が低いらしく、ロッテントマトは未評価
本篇のクリップを使用した、有名なテーマ曲が流れる動画。古臭く感じる。
ポスター
日本版ポスター
「テレビ映画」版『ピーター・ガン』(89)のジャケット写真。■未DVD化■
◆『殺しの分け前 ポイント・ブランク』(1967/米)
本作は、米国人作家ドナルド・E・ウェストレイク(1933-2008)が「リチャード・スターク」名義で発表した『悪党パーカー 人狩り』(原著1962年)の最初の映画化(2度目がメル・ギブソン主演『ペイバック』)です。原作未読。
強盗に成功した直後に仲間の「親友」と「妻」が共謀した裏切りに遭い瀕死の重傷を負った孤立無援の男(リー・マーヴィン)が、『俺のカネ(分け前)をよこしやがれ』と裏切った仲間を死神のように一人一人訪ねる「リベンジ・ノワール」。初見では「不可解」な点もあったが、そのオッサン臭い「渋さ」にシビれ、再見で話の大筋を理解した(つもり)。現在の感覚では、旧世代の「古臭さ」が敬遠されるかも。オールタイムベスト級の大好きな犯罪映画。
オリジナル予告篇
海外の評価
VHSビデオのジャケット写真
ポスター
日本版ポスター
最初に邦訳された『悪党パーカー 人狩り』。映画の名前は「ウォーカー」。
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