【見習いTeX使いのために】最初に覚えるコマンドまとめ
最終更新:2024.10.11
TeXについて「敷居が高い」「なんだか難しそう」という声を友人や学生たちからよく聞きます.実際,慣れてしまえば使いこなせるものの,最初の一歩がなかなか踏み出しづらいんですよね.ネットで調べても情報が多すぎて,初心者は「どこから手をつけたらいいの?」と戸惑ってしまうことも少なくありません.
そこで,「大学入試の数学の問題文をそれなりにきれいなPDFにする」という最低限のゴールを目指して,初心者向けのまとめを作りました(作図はちょっと大変なので除きます).
細かい設定や高度な機能には触れず,シンプルにTeXの魅力に触れられる内容にしましたので,まずは気軽に楽しんでみてください!
◆ はじめに
インストール
TeXの環境としてはTeX Wikiを参考にTeX Liveをインストールするのがよいでしょう.
Macの方はこちらの記事が親切です.
「兎に角まずはTeXに触れてみたい!」という方は,筆者が作成した次のウェブアプリで遊んでみてください.
エディタ
エディタはVSCodeがオススメですが,環境によっては設定に戸惑うかも.自分で記事を書く余力がないので,適当にググってみてください.
◆ 入力準備
TeXファイルのひな型
\documentclass[b5j,fleqn,twoside]{jreport}
\usepackage{amsmath,amssymb,ascmac}
\everymath{\displaystyle}
\begin{document}
この領域に本文のソースコードを書きます.
\end{document}
インライン数式モード
文章中に数式を入れる場合には,$と$で挟む.
ディスプレイ数式モード
別行立てで数式を入れる場合には,\[と\]で挟む.
入力:
吾輩は
\[
x=y
\]
である.
出力:
◆ 基本的な入力
数式コマンドは,すべて数式環境内に記述します.
加減乗除
例えば, \times f を \timesf と打つとエラーになります.半角空白を挟むのを忘れない.
分数
インライン数式モードでは分数は小さく表示される.大きく表示したい場合は,\displaystyle を挿入する.
繁分数は小さく表示されるが, \dfrac{分子}{分母} を使えば大きく表示される.
添字・指数・ルート
カタマリは中括弧 { } でくくる. a^x+y と打つと, $${a^x+y}$$ になってしまうので注意.
三角関数・対数関数
単に sin x と打つと $${sin x}$$ とイタリック(斜体)になってしまう.また, \sinx はエラー.
数列・極限・積分
$${\sum}$$,$${\lim}$$,$${\int}$$などの添え字の位置は自動で調整される.
積分では,f(x)とdxの間に1/4角空白を入れるのがミソ.
1/4角空白は \, で,半角空白は ~ で挿入する.
ベクトル
1文字なら \vec{a} でもいけます.
◆ よく使う数式記号一覧
出力:$${\pm}$$ 入力:\pm
出力:$${\mp}$$ 入力:\mp
出力:$${\times}$$ 入力:\times
出力:$${\div}$$ 入力:\div
出力:$${\cdot}$$ 入力:\cdot
出力:$${\cdots}$$ 入力:\cdots
出力:$${=}$$ 入力:=
出力:$${\neq}$$ 入力:\neq
出力:$${\equiv}$$ 入力:\equiv
出力:$${\fallingdotseq}$$ 入力:\fallingdotseq
出力:$${>}$$ 入力:>
出力:$${<}$$ 入力:<
出力:$${\geqq}$$ 入力:\geqq
出力:$${\leqq}$$ 入力:\leqq
出力:$${\gg}$$ 入力:\gg
出力:$${\ll}$$ 入力:\ll
出力:$${\subset}$$ 入力:\subset
出力:$${\supset}$$ 入力:\supset
出力:$${\subseteq}$$ 入力:\subseteq
出力:$${\supseteq}$$ 入力:\supseteq
出力:$${\in}$$ 入力:\in
出力:$${\ni}$$ 入力:\ni
出力:$${\cup}$$ 入力:\cup
出力:$${\cap}$$ 入力:\cap
出力:$${\lor}$$ 入力:\lor
出力:$${\land}$$ 入力:\land
出力:$${||}$$ 入力:||
◆ ギリシャ文字一覧
出力:$${\alpha}$$ 入力:\alpha
出力:$${\beta}$$ 入力:\beta
出力:$${\gamma}$$ 入力:\gamma
出力:$${\Gamma}$$ 入力:\Gamma
出力:$${\varGamma}$$ 入力:\varGamma
出力:$${\delta}$$ 入力:\delta
出力:$${\Delta}$$ 入力:\Delta
出力:$${\varDelta}$$ 入力:\varDelta
出力:$${\epsilon}$$ 入力:\epsilon
出力:$${\varepsilon}$$ 入力:\varepsilon
出力:$${\zeta}$$ 入力:\zeta
出力:$${\eta}$$ 入力:\eta
出力:$${\theta}$$ 入力:\theta
出力:$${\Theta}$$ 入力:\Theta
出力:$${\varTheta}$$ 入力:\varTheta
出力:$${\iota}$$ 入力:\iota
出力:$${\kappa}$$ 入力:\kappa
出力:$${\lambda}$$ 入力:\lambda
出力:$${\Lambda}$$ 入力:\Lambda
出力:$${\varLambda}$$ 入力:\varLambda
出力:$${\mu}$$ 入力:\mu
出力:$${\nu}$$ 入力:\nu
出力:$${\xi}$$ 入力:\xi
出力:$${\Xi}$$ 入力:\Xi
出力:$${\omicron}$$ 入力:\omicron
出力:$${\pi}$$ 入力:\pi
出力:$${\Pi}$$ 入力:\Pi
出力:$${\rho}$$ 入力:\rho
出力:$${\sigma}$$ 入力:\sigma
出力:$${\Sigma}$$ 入力:\Sigma
出力:$${\varSigma}$$ 入力:\varSigma
出力:$${\tau}$$ 入力:\tau
出力:$${\upsilon}$$ 入力:\upsilon
出力:$${\Upsilon}$$ 入力:\Upsilon
出力:$${\varUpsilon}$$ 入力:\varUpsilon
出力:$${\phi}$$ 入力:\phi
出力:$${\varphi}$$ 入力:\varphi
出力:$${\Phi}$$ 入力:\Phi
出力:$${\varPhi}$$ 入力:\varPhi
出力:$${\chi}$$ 入力:\chi
出力:$${\psi}$$ 入力:\psi
出力:$${\Psi}$$ 入力:\Psi
出力:$${\varPsi}$$ 入力:\varPsi
出力:$${\omega}$$ 入力:\omega
出力:$${\Omega}$$ 入力:\Omega
出力:$${\varOmega}$$ 入力:\varOmega
記事に賛同してくださる方,なんらかの学びが得られたと感じてくださった方は,経済的に余裕のある範囲で投げ銭をいただければ幸いです.