こんなものを観ています(2021.01編)
まえがき
映画感想的なものは別でじっくり書いて更新していくスタンスなのですが(現状2記事しかないが)、いつぶりかに久しぶりに観たものや今夢中のものなど、良い意味で「簡潔にあっさり想ったことを書いていこう」と思いついたので、最近観たものについてちょいっと綴る記事です。なので、作品あらすじを語るというよりは「こういうことを思って見始めた」「作品を通してこういうことを考えた」というような、やっぱり今回も自分の話です。
※ネタバレ的なことは書きませんが、ストーリー構造などや本編にちょっとだけ触れるなど、自分が思うこととして記載している作品もありますので、お読みになる際はご注意ください。
TVアニメ『ひぐらしのなく頃に 業』(2020 - 2021)
ここ数年、「TVアニメを毎週追う」ことがどうしても出来なかった自分にとって革命が起きた作品、『ひぐらしのなく頃に 業』。なんで毎週欠かさず観ているのか、というとそりゃもちろんネタバレが嫌だから。
原作ゲームや漫画・小説などは通ってなく、前・TVアニメシリーズ『ひぐらしのなく頃に』『ひぐらしのなく頃に 解』のみ視聴していたのですがそれももうかなり前のこと。友人と話していても「そんな描写あったっけ……」と記憶が曖昧だったので、この『業』を観始めるにあたり過去作を全話再履修→『業』、という体制で臨みました。
判明から数ヶ月経ったのでこれは割と知られていることですが、「単なるリメイクではない」のです。どちらかと言えば過去作をすでに観たことがある人向けの物語構造、そしてそれ自体が「過去のシーンがキャラ同様に視聴者にもフラッシュバックする」「前はこうだったから、今回もこういう展開だろう」という疑いの目で物語を追ってしまうことになるという仕掛け、視聴者も一種の雛見沢症候群を発症しているのではとさえ感じてしまうこの仕組まれた体験そのものに大変感動しています。
そして今週から新編なのですが……緊張しますね。赤坂に活躍してほしいと願うばかり。
映画『SAW』(2004)
いきなり随分昔の映画だなという感じがしますが、「伏線」という言葉を考えることがあり、その流れで思い出した作品、それが私にとっては『SAW』。痛々しい描写、いわゆるグロ描写みたいなものは直視できないくらい苦手な私ですが、初見時の感動はそれを「我慢してでも何回でも観たい」という最高の体験でした。
再度観ようと決めたきっかけになった「伏線」、この映画はかなり多くの伏線が散りばめられた作品で最終局面に向けてそれが一気に回収されるという怒涛の展開を見せることで有名なわけですが、この「伏線」というものについて考えさせられる瞬間があったのです。
TBSラジオ・『アフター6ジャンクション』内のRHYMESTER・宇多丸さんによるコーナー・「週間映画時評ムービーウォッチメン」にて、昨年12月の『STAND BY ME ドラえもん2』を取り上げた回。「確かに!」と思わされたことを宇多丸さんが語っていたのです。
物語における「伏線」という言葉の意味というか定義というか、本来の使い方的なお話。(一字一句は記憶していないのですが)つまり「伏線」というのは【元は別のものとして機能していたものが、後にまた別の意味をもって機能する】というものだというお話をされておりました。つまり、最初に視聴者にとって全く意味不明なものが後になって「実はこういうことでした〜」という展開を「伏線回収」とは呼ばない、という内容。
これを聞いて、かなりハッとさせられました。もちろん、「実はこういうことでした〜」的な展開も効果的に使えば感動や驚きに繋がることもあるしそれ自体が嫌いではないですが、より効果的にシナリオに深みをもたせるためにはこういう技法が必要なのか……と。
同人活動的な範囲内ではありますが、シナリオ的なものを作ったことがある身(とはいえ「お話書いてまーす」と自称するほどの頻度では到底ない)だったこともあり、すごく勉強になりました。
大変勉強になり、じゃあ今まで観てきた「伏線回収モノとしておもしれえ〜」と思っていた作品ってどうだったっけ……と、見直してみようと思ったのがこの『SAW』だったわけです。
ちなみに『SAW』、大学時代に映画研究サークルに所属していたDくんに「なにかどんでん返し系で良い映画、ない?」と募集して教えていただいたのが出会いのきっかけ。その聞き方の時点で一種のネタバレを喰らっているようなものかもしれませんが。何より、グロい!痛い!と評判の映画、能動的に観ない人生でしたから、素敵な出会いでした。ちなみに2作目以降は観ていません。
TVアニメ『ワンダーエッグ・プライオリティ』(2021)
実写ドラマ等の脚本家として大変有名な野島伸司さんが原案・脚本を担当するというのだから観なければならないという使命感があります。とは言え自分は昔に『高校教師』『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』『プライド』『薔薇のない花屋』など、鑑賞歴で言えば数本。とは言えやはり『高校教師』のあの雰囲気、衝撃のラストは今でも記憶しております。
それが超顔が良いキャラクターたちと超良い作画と超良い演出・音楽が合わさり毎週視聴出来るのだから私は幸せ者です、その作品の名は『ワンダーエッグ・プライオリティ』。
しかしストーリーの「明るくなさ(あえて「暗い」とは言いません)」、やや不思議な展開の数々、「どういう終わり方をするのか」が現状(=3話放映後のタイミング)では全然予想がつかない本作、人を選ぶ作品なのは間違いなさそうです。よって、万人に手放しでオススメできるかどうかは最終話を観てからの判断になりそう、そんな良い意味で予測不可能な作品のように感じます。
こういう繊細でややダウナーとも呼べる人間模様、大好物なのです。特に主人公・大戸アイにとって特別な存在という立ち位置であるキャラクター・長瀬小糸の醸し出す雰囲気も声優さんの演技も抜群に良くてぶっ刺さってしまっております。
もちろんまだ現時点ではストーリーの評価などは出来ないタイミングですが、ただ「雰囲気が好き!」と叫びたくなるアニメ、この『ワンダーエッグ・プライオリティ』も視聴継続中。
漫画『ブルーロック』
ヘッダー画像に使った漫画、最後の最後に書かせていただきます。『ブルーロック』。
世にある大量の作品の中で、じゃあ私がどれを手に取るのか、どれを観るのかといえば、自分の嗅覚がたどり着くもの以外ではやはり「友人がおすすめしてくれるもの」の優先順位が当然のように上がります。以前話題になった「作品の感想を自分で考える時代は終わった」という時代考察記事のことも思い出されますが、時間に限りがあるという現実を考えるとやはり「面白いと言われているもの」を真っ先に享受したいという流れは自分の中でも否定はできません。もちろん、自分で発掘する楽しみも僕は大好きなのですが。大人には時間がないのです。
この『ブルーロック』、いわゆるサッカースポーツ漫画でありながらスポーツ漫画らしくない、そんな始まり方をしたな〜というのが1巻読後の感想で、2巻以降から本当にどんどん面白くなっていきます。もうキャラクターの興奮とアドレナリンがこっちまで同期されるみたいな、そんな感覚。家から出づらい2021年序盤の今日このごろ、彼らみたいに身体を動かしたくなる躍動感もあり大興奮状態。
そしてなによりキャラクターとそのデザインがめちゃくちゃ自分好みでした。まだ既刊全部を読めていないタイミングではありますが、蜂楽が可愛くて格好良くて狂っていて最高ですね……最推しは彼です。
よくよく考えると、我が家に来た初めてのスポーツ漫画かも、というくらいに普段からスポーツ漫画というジャンルをあまり読まない(=お試しで買った電子書籍やお仕事関連で購入したものはありますが)ので、これを機会に他作品もいろいろ見てみたいところ。
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