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ゴミについて考えてみたPart2

前回ゴミについて考えてみた色々について書きました。今回は、前回書ききれなかった事について、もう少し突っ込んで書いてみたいと思います。

1.ゴミが生まれるメカニズム

 「最初からゴミだったものはない。」と前回お話ししましたが、ではなぜ人が必要なものとして作ったモノがゴミになるのでしょうか?このメカニズムが分からなければ、ゴミを減らす事は出来ないでしょう。ここでは、ゴミが生まれるメカニズムについて考えてみたいと思います。

必要だったものをゴミとして捨てるのは以下のような事が理由だと思います。

①モノとして使う機能を失った

②モノを買ったけれど全然使用しなくなった(使用しなかった)

③使用する事で、モノとしての価値が低下した

このような状態になった時に、モノはゴミになると考えられます。しかし、これだけでは、モノはゴミになりません。持ち主には、ゴミにする以外に他の人に売る、譲るという選択肢があるからです。ゴミが発生するメカニズムとしては、モノが循環するシステムの中で、誰にも買われる事も使われる事もないモノがゴミになると言えるのではないでしょうか。

2.金銭的価値>モノの価値になった時にゴミになる?

 モノが循環するシステムにおけるゴミとはどのようなものなのか、もう少し突っ込んで考えてみたいと思います。「誰も買わない、使わないモノ」がゴミになるという事ですが、では何故誰も買わない、使わないモノになるのでしょうか?

 金銭的価値>モノの価値

 こうなった時にモノはゴミになるのではないでしょうか。こう考えると、ゴミを減らすには、以下の2つの方法が考えられると思います。

1つ目は、金銭的価値を下げる事

2つ目は、モノの価値を上げる事

この2つが実現すれば、ゴミを減らす事が出来ると思います。

3.金銭的価値を下げるために必要な事とは?

 使われなくなったものを、購入しようとしてもまだまだ割高になっているのが現状なのではないでしょうか。これは、人が使わなくなったモノ=ゴミがデフォルトだからです。リサイクルショップを想像して頂ければわかりやすいと思うのですが、人が使わなくなったものの価格を目利きしてフェアな価格を値付けするのは難しく、本当は不必要なモノまで含めて購入して販売するため、この不必要なモノを購入し、保管し、販売するためのコストまで含めた価値をオンしなければならないのです。

 また、高額な中古品などには、値付けに独自の目利きが必要になることも少なくありません。このような商材では、モノの売り手から買い手までに複数の事業者が介在する事が多く、いらなくなったモノを持っている人が実際に売る価格と実際に次に利用する人が購入する際に支払う価格の間に大きな開きがあるケースが少なくないのが現状ではないでしょうか。 

 金銭的な価値を引き下げるには、本当に必要なモノだけを、フェアな価格で安価な手数料で円滑に取引出来るマーケットプレイスを生み出す事が必要になると考えます。

4.モノの価値を上げるために必要な事とは?

 金銭的な価値を下げれば、相対的にモノの価値の方が高い状態にできるのですが、流通させるモノに付加価値をつける事によっても、この状態を生み出す事は可能になります。では、どうすればモノの価値を上げる事が出来るのでしょうか?

 その方法の1つがアップサイクルです。例えば、色を変える、形を変えるといった事でモノに付加価値がつく事で単なる中古品と違った価値をつける事が可能になります。また、もともとの使われていたモノと違ったモノに作り変える事で違った価値を生み出す事も可能になります。伝統工芸品や工業製品などの加工されたモノには、素材自体に価値が高いものも少なくありません。このようなモノは、手を加える事によって経年劣化や着物などのように利用用途が減ってきたものに新しい価値を生み出す事が可能になってくると思います。

5.情報の非対称性を排除する仕組みの必要性

 「金銭的価値を下げる」というところで、効率的なマーケットプレイスが必要と言いましたが、このマーケットプレイスにはもう一つ別の役割が存在すると考えています。

 それは、中古品の流通する市場(いわゆるセカンダリーマーケット)の存在と魅力を高め、多くの人に商品の存在を知ってもらうことだと思います。SDGsなどの浸透により、不要になったモノをゴミにせずに、譲ろうという人が増えたとしても、実際にそれを欲しいという人にその情報が届かなければ、売れ残りとしてゴミにならざるを得ないからです。

6.ゴミにならざるを得なかったモノの処分について

 とは言え、完全にゴミがゼロにできるわけではありません。新しく作り出すモノに関しては、完全なリサイクルや生分解など環境に負荷を与えることのない素材を使うなどの方法が考えられています。

 しかし、すでに作られたモノについては、完全なリサイクルや環境に負荷を掛けない状態で処理することは不可能です。ここで必要になるのは、適正な廃棄だと考えています。ゴミの分別回収やリサイクル可能な状態での廃棄もこの一つだと考えています。適正利用、適正廃棄という考え方が重要になってくると思います。


如何でしたでしょうか?今後、具体的にどのようなアクションを起こしていくかについては、また別の機会でお話ししたいと思います。


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