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最終日に滑り込み就活生

私には運がない。駅前でやってるくじ引きや、応募したら抽選でもらえる景品は当たったことがない。私の人生は運が悪いほうだと思っている。

運が良かったことを探したら、唯一思い出したことは、応募最終締め切り日にエントリーシートを出せたことだった。そのエントリーシートを出した先で就職できたから、忘れられる訳もない。


あのエントリーシートは、直接提出するしかなくて、近くのカフェに駆け込んだ。その辺の写真屋さんで撮った証明写真を貼って、他で出したエントリーシートと同じようなことを書いた。

締切日に気づいたのは前日。
希望している他の応募の締め切り日はまだ先だった。
だいたいこの時期という大まかな期間があるから、そこを目指していた。

でも違った。
何度も見たホームページ画面から、改めて締め切りを確認していたら、1つだけ見落としていた。締め切りは明日だった。

冷や汗をかいたかどうかは覚えていないが、あと5分で授業が始まる時間に目が覚めた朝みたいに、猛スピードで冷静な思考回路が回転したはず。今やるべきこと、やらなくて良いこと、的確に判断して最短ルートを導き出した結果、提出先の近くのカフェでエントリーシートを書くことを選んだ。

提出したとき記入漏れがないかチェックされたが、何事もなく受理してもらえた。もしかしたら、最終日に応募する強者って思われていたのかもしれない、という冗談を言えるのはその後の試験を通して採用されたからだ。

前日に確認できた自分を褒めたい。でも、できることならもっと余裕をもって提出したかった。採用されたときには忘れていたし、今までも忘れていた運の良さ。

私は運が良かった。

#就活体験記  を見て思い出した体験。

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