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書き出し小説

「秒針が気になってもう2704秒経つ」


「『ホンワカパッパ』の語源を知ったのはこの時だった」


「バファリンの半分は本当に優しさでできていた」


「数珠を探していたら結婚式に遅刻した」


「あの時利き手で食べていればと、もう何度も考えている」


「排水口から部長の臭いがする」


「ちょうど400円、ポケットに入っていた」


「私だけ口ずさめない曲が流れている」


「コロナにかかることじゃない、かかったと知られることが怖かった」


「ちょうど終電を諦めた頃だった」


「またしょうもないビートルズのカバーバンドが現れた」


「考えごとをするのはいつも夜だった」

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