奄美 森のうた/ガルリラペ 奄美大島取材日記②
わたしにとりまして16回目の個展をまもなく開催いたします。作品の最終点検をして送り出す作業の今、昨年の取材日記を紹介しながら展覧会への思いをかきます。
2022年秋に初めて奄美大島を訪れました。ガイドさんを頼んでマングローブの森、金作原原生林などを訪れました。360度の大自然に圧倒されそしてそれを次の世代に残していこうと努力する地元の方々の取り組みに感動したのを覚えています。取材旅行第2弾!2023年は第22回奄美を描く美術展の巡回展会場を訪れ、念願のシマ唄をきき、泥染め体験と加計呂麻島訪問の機会に恵まれました。
奄美大島も北と南では少し自然の雰囲気が違います。湿気も空気のにおいも心地よい住用のあたりがとても好きです。今回はシマ唄のガイドさんをお願いしました。山が多い奄美大島では峠を越えて隣の集落に行くと文化の伝承も変わります。同じ歌でもメロディーや歌詞が少しづつ違うのです。
シマ唄(奄美大島)はゆったり心地よいです。裏声を多く使っていて聞いているうちに歌いたくなりました。「一番覚えやすくてみんなが知っているのを1曲教えてください。」とお願いすると米田さんが「いきゅんにゃかな節」は高校卒業して島から出る若者を送るときにも必ず歌われるみんなが知っている曲だというので何度も歌ってもらって覚えました。
米田みのりさんは今回の個展「奄美 森のうた」のゲストです。私の作品とのコラボレーションをとても楽しみにしています。
第22回奄美を描く美術展の巡回展が12月2日~10日、瀬戸内町の瀬戸内町立図書館で開催されました。本展は11月に奄美パークの田中一村美術館で開催。巡回展は毎年いろいろな場所で展開され、今年は瀬戸内町ということだそうです。奄美大島が本土復帰70周年の記念すべき年の受賞で大変うれしいです。南海日日新聞の新年号にご紹介くださいました。
取材後記に西谷記者さんが「楽しく生きるしなやかさが感じられた」と書いてくださってとてもうれしかったです。素敵な言葉を選んでくださって感動しました。
訪れた4日間すべて快晴。特に加計呂麻島に渡った日は素晴らしい空の色。乗り込んだ船はあの寅さんの映画に出てきた「でいご丸」です。年季の入った船内にはサインやポスターがいっぱい貼ってありました。
加計呂麻島では昨年もお世話になったガイドの徳さんが待っていてくれました。再会を喜び、駆け足で回ります。加計呂麻の自然を満喫しながら神様の通り道を集落のみんなで大事にきれいにしていることや神事を行うアシャゲと呼ばれる建物なども教えてもらいました。私も神聖な気持ちになりました。
今回一番の驚きはガジュマルに出合ったこと。絞め殺しの木とあだ名がつくほど生命力が強い木だそうです。上から気根が伸びて地面につくと地面から養分を吸って大きくなっていく。アスファルトもほかの樹木も飲み込んでしまう力強さ・・・。名前は知っていたけれど、これほどとは・・・。
描きたいなあ~。これは画面で本当に伝わるだろうか・・・。何とかしてみたい!
そしてこちらはデイゴ並木。ゴールデンウィークのころには赤い花が満開になるそうです。想像しただけでも見事です。今度加計呂麻に来るならもう少しゆっくりきてみたいなあ。お祭りも、花も見られるほかの時期にまた来よう。
最終日は泥染め体験:大島紬村
大島紬の工房も見学することができ、工程の多さにびっくり。現在の作家さんたちにも敬服しますが、初めてこの作り方を発見した人は何とすごいんだろうと思いました。
夢のような4日間を終え、楽しいけれどへとへとになって名古屋に帰りました。今回の取材に基づいた制作は別の機会に発表するとして、3月のガルリラペでの展示作品を作る生活に戻ります。
ここで制作過程を少し紹介します。紅茶インクでの書き込みはだいたい3週間程かかります。
今回は奄美の森がテーマです。気持ちの良い森を会場で体感していただけるような展示を目指します。皆様どうぞよろしくお願いします。
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