マニュアル人間でいい
こんにちは、林潤といいます。大学生です。
「マニュアル人間」って、すごくネガティブに使われますよね。でも、今日はあえてポジティブに捉えてました。これからは、「マニュアル人間」が大切になるかもしれません。
マニュアルとは何か
そもそも、「マニュアル」とはなんでしょう。辞書で調べてみると、こう書いてありました。
マニュアル…①作業や操作の手順についてまとめたもの。手引き書・取扱説明書・説明書・手順書など。②自動車で、変速装置が手動のもの。
「マニュアル人間」のマニュアルとは、まさにこの①の説明書の意味で、その通りにしか動けない人間のことを指していると思います。
では語源は何かというと、ラテン語の「manuale」だそう。「manuale」の「man-」は、「manus」(手の意味)が語源だそうです。たしかに、先ほどの①は、手引き書ですし、②は、手動ですので、「手」が関係していますね。
マニュアル人間を再定義
ここであえて、「マニュアル人間」のマニュアルを、先程の②の意味、「手動」「手を動かす」で再定義してみたいと思います。すると、手を動かす人間という意味になりました。
手を動かしている人、というのは結構ポジティブなイメージがあるのではないでしょうか。積極的に行動している人、主体的に行動している人、とも捉えられて、従来の「マニュアル人間」とは真逆にも感じられます。
とは言っても、1つ引っかかることがあります。
それは、「どのように手を動かすのか」ということです。
手を動かしていても、言われた型通りにただやっているだけでは、あまり意味がないと思う方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、今日この記事を書くきっかけになった本の一節をご紹介します。
形が先、心は後
今日、森下典子さんの「日々是好日」を読みました。
そこに、こんな一節が。
「お茶はね、まず『形』なのよ。先に『形』を作っておいて、その入れ物に、後から『心』が入るものなの。」
お茶のお点前には、多くの決まりがあるのだそう。その決まりを、意味がわからずとも、とにかくやる。これは、手引き書に従うことにも近いのかもしれません。
でも、これを読んでふと思いました。
「形なしでは、事は成せない」と。
悩むよりも行動、心よりも体
『形』を先に作って、後から『心』を入れる。
これは、他の事にも当てはまると思います。
デザインで言えば、「造形」と「思考」。楽器で言えば、「奏法」と「歌心」。企業で言えば、「サービス」と「理念」。人間で言えば、「体」と「心」。
「悩むよりもまず行動」という言葉も、よく聞きます。悩むのは、思考が停止している状態だから、どうしようか悩むくらいなら、まず手を動かす。そうするうちに、どうすれば良いか見えてくる、ということです。
「楽しいから笑うんじゃない。笑うから楽しいんだ。」という言葉も、聞いたことがあります。まさに、『形』を先に作っておいて、『心』が後から入ってくる好例ではないでしょうか。
マニュアル人間だっていい
だからこそ、思うのです。
「マニュアル人間」は、良いことなのではないかと。
もちろん、どんなケースにおいても良いとは言い切れません。
また、『形』を作る作業しかしない人は、この先AIに代替されるでしょう。でも、きちんと『形』を作れる人は、『心』を入れることで、素晴らしい成果を発揮出来ます。
「型にはまった人」とか「型通りにしか作れない人」とか、よく言われますが、僕はそれよりも、「心にはまった人」や「心通りにしか作れない人」の方が、怖いと思います。
千利休が伝えたとされる「守破離」も、最初は型にはまるという考え方。
「マニュアル人間」から始めることは、決して悪いことではないのかもしれませんね。
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