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ともだちを泣かせてしまったはなし

「ともだち」というあいまいな関係は難しい。
恋人のように明確に「今日からわたしたちともだちになります!」と宣言するものじゃないし、ともだちになったからといって、どこまで相手の為にしてあげるべきなのかもわからない。

2023年は新しい趣味をはじめたおかげか、新しいともだちが増えそのせいでトラブルも増えた。
ともだちのために首を突っ込みすぎてわたしが攻撃対象になったことが何度かあった。
そういうとき、助けたともだちはわたしを助けてはくれないのだ。

教室内のいじめでよく聞くこの光景に自分がなるとは思わなかった。
わたしは中学校からろくに学校にいっていない。
学校が小さく仲の良い小学校から、人数も多くカーストの分かれた中学校になじむことができなかったのだ。

だから、わたしはともだちとの距離感がよくわからない。

だから、ともだちを泣かせてしまったのだろうと思う。

コロナ禍に入ったころ、メンタルの調子がとても悪くなり働けなくなってしまった。
通話アプリで知らない人と寝ながら1日中しゃべるくらいしかやれることがなかったころ、そのともだちに出会った。

いくらコロナ禍とはいえ、平日の昼間に通話ができる人間なんて「なんかある」奴しかいなくて、わたしもその子もそのほかその空間にいた人はみんな「なんかある」人たちだった。

わたしはそれから3年の間に、障碍者手帳をとって、就労支援施設に入所して、恋人と暮らすために就職した。
その頃の通話仲間も就職したり、学校に行ったり、変わらず国の支援を受けながら実家暮らしをしていたりしていた。

そのともだちから「バイトを辞めたいから相談に乗ってほしい」と連絡がきた。
そのともだちからはよく、無限にネガティブなことを聞かされることがあるので正直気乗りはしなかったが、別のともだちも通話に入っているのを確認したので、通話部屋に入った。

「バイトを辞めたい。理由は言語化できない。今日行ったらものすごくしんどかったからもう続けたくない」
ともだちがしているバイトは週2日で、小さい職場だから社長からの理解もあり、不調で当日欠勤したり寝坊したりしても怒られたりしなかったらしい。
そんな理解のある職場に就いているのになんで辞めたいんだろう?
と思いはした。

続けた方がいいんじゃない?と言いたかったが、もう彼女は「バイト辞めたいです」ってLINEしたと言ってきた。
相談はバイトを辞めるかの相談ではなく、辞めた後どうしたらいいかの相談だった。

障碍者雇用や就職支援に行きたいけどどうしたらいいかわからないから教えてくれと言われた。
自治体がやってるものだから、「自治体名 障碍者 就職」とかで調べたらいいじゃんと言ったら、たくさん出てきすぎてわからないと言われた。

障碍者の就労支援といって、わたしが知っているものは就労移行支援と就労継続支援A型、B型。
移行支援は一般的には正社員を目指すものだと理解しているし、A型もわたしが知っているところだと週5~6勤務を原則としている。
B型は工賃が安いし、一般雇用でも一応働ける人が行くところではないようにも思う。
もちろんこのイメージがすべてではないから、調べて見学に行って自分で情報を入れて判断すべきだと思う。

そういったことを伝えて「障碍者雇用だからってなんでも融通が利くわけじゃない」と話し、今の職場の方がよっぽど理解があると思うから、もし辞めるのを引き留められたら一度お休みしたら?また探すのは大変なんだし。
と話した。

「あとは、雇われるにしても、フリーランスになるにしても、実家や国の支援を受けて生活するにしてもそれをやるって覚悟を決める必要はあるよね。なにかしらの我慢は多少は必要だと思う」
と言ったら通話を切られた。

残ったともだちに「あ、泣かした~」と茶化され(ともだちなりのフォローだと思う)
わたしは自分が言ったことは間違いだったのかと考えていた。

内容は間違ってないと思う。
わたしは頭ごなしに働けとは言わなかった。
彼女の家族が、働いていないことを受け入れるならわたしが口出しすることじゃないし、言い方も気を遣ったつもりだった。

ただ、ともだちだからって言うべきラインを超えたのかなと悩みはした。

日ごろから同じ悩みでぐるぐるしているともだちを見るのは辛いし、その堂々巡りの相談や愚痴を聞かされているのもわたしは辛いのだ。
だから、わたしがその渦から脱したように彼女にも抜け出してほしかった。

でもそのためには、彼女自身が気づく必要がある。
わたしにできる事なんてほとんどないのかもしれない。

わたしは堂々巡りから脱したから、そのためになにをしたか、なにを考えていたかはこのnoteに書いていこうと思う。
それがどこかで堂々巡りにハマっている人の役に立つかもしれないから。

たのしく暮らすって難しいね。

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