ディストピアかユートピアか〜情報の自動生成のつかいどころ〜

こんにちは。なんばです。

最近5歳の息子にぷよぷよで負けまして、心が折れている今日このごろです。

アメリカではついにバイデンさんが大統領に就任されましたね。

先日、トランプさんの支持者が議会襲撃をするという、びっくりする事件も起こっていて、就任式典をドキドキしながら見ていましたが、アマンダ・ゴーマンさんの演説がとにかく感動的でした・・・。

さて、トランプさんはついにtwitterアカウントをブロックされてしまいましたが、先日の議会襲撃の事件しかり、熱狂的なファンが未だに選挙に不正があったと信じる話を聞いて、私はある動画を思い出していました。

「EPIC2014」という動画です。記事を読んでくださっている方で、もしこの動画知らない方は、短い動画なのでぜひ見ていただきたいです!!!

この「EPIC2014」という動画は、2004年にアメリカの研究者の人が作ったものです。私は大学でジャーナリズムの勉強をしているときに出会いまして、あまりに衝撃すぎて新聞記者を目指していた進路を変更するきっかけになりました。苦笑

ところで、動画の終盤に出てくる「epic」という”進化型パーソナライズ情報構築網”というのが、今のSNSにそっくりだと思いませんか?

現実では自動で情報が組み合わされてニュースが”生成”されているわけではないですが、SNSの情報フィルターによって自分が見たいもの・信じたいことを優先して人々が情報を集めて発信した結果、真実かどうかはだんだん大きな問題ではなくなり、狭く・浅く・扇情的な内容で偏った情報が拡散されるようになってますよね。。

そしてそれを煽るように、フェイクニュースが生み出されいて、、、もはや人間が「epic」に成り代わっている・・・!!!? と、トランプさんのニュースをみるたびに感じていました。

情報の自動生成の実用化

さて、epicではニュース”そのもの”が、機械的に組み合わされた情報から自動生成されるところに問題があったわけですが、すでにある情報から必要な部分だけをピックアップして記事にする「AIライティング」は、業務の効率化のために、一部日本の新聞社でも実用化されてきています。

有名な例だと、日本経済新聞社さんの「決算サマリー」があります。

どんなフローでAIが文章を作り出しているかのフロー図があったのでご紹介します。

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(引用元:https://www.nikkei.com/promotion/collaboration/qreports-ai/)

少し難しいですが解釈すると、フレーズ単位の文章パーツごとに解析して構造を創り、文章・文脈を分析しながらその中で業績要因文を優先してサマリー文をつくる、となっているのかな、と思います。

この「業績要因文」ですが、AIのアルゴリズムで自動抽出できるそうなんです。決算短信や過去の日経記事の各文を参照して、業績変動の要因を言及する文章を抽出する、と。すごいですね・・・。

プロのスキルの応用のための「AI」

日本経済新聞の「決算サマリー」では、記者たちがどのように資料を読み解いているのかを研究して、AIに学習データの集合として渡しているそうです。この方法だと、プロの視点での資料の読み解き方をアルゴリズムが学んで応用できるので、人手が足りないところでも活用できてすごくいいなと思います。

わたしの所属する会社でも、似たような応用を試みております。それは、オンラインストアによくある、「商品を詳しく説明するための文章」への編集者スキルの応用です。

オンラインストアには、商品を詳しく説明したり魅力を伝える文章が載っているかと思います。オンラインストアでは店員さんによる接客ができないので、お客さんが購入するときの判断材料として、この商品説明の文章は責任重大です。

ただ、原稿を作るための時間が少ないことや、必要な原稿数が膨大にあり、一つ一つの商品の説明をするのも手間になるので、プロにお願いせず社内の担当者の方が頑張って作っていることが多いように感じます。

そこでわたしの会社では、「情報を組み合わせて、その中から価値になる部分を引き出す」「読み手に合わせて、心が動く伝え方/ストーリーを生み出す」という編集者がもつスキルを、AIにインプットすることで、大量かつ短時間に文章を作らなければならない、オンラインストアの商品説明文の作成をサポートできる仕組みづくりを進めています。

近日中に発表できるよう鋭意準備中なので、完成したらまたnoteでもご紹介できればと思います!

「決算サマリー」も、今開発中の商品説明文章のためのAIも、人手がとてもかかっていた業務をAIが代わりに進めてくれるようになることで、ストレートニュースではなく調査報道など深堀り取材の記事が増えたり、魅力的な商品開発に時間がさけたり、「人間にしかできない仕事」に集中できるようになるといいな〜と思っています。


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