情報消費時代に、心に残る記事を考える

こんにちは、なんばです。

コロナが落ち着かない上、梅雨のジメジメも相まって、すごく内向的になっている今日このごろです・・・。

なので、今回は「心に残る」とか「記憶に残る」コンテンツについて考えてみたいと思います。


さて、1ヶ月前くらいに話題になっていた、NHK取材ノートの記事、みなさん読まれましたか?まだの方は↓にリンクあるのでぜひ読んでみてください。

私は、、、この記事を読んで久しぶり号泣してしまいました…。

学生時代に新聞記者にあこがれて、一浪して入った大学でジャーナリズムの勉強をして、新聞社で学生インターンをして、記者さんの仕事に少しでも近づきたくて飲み会に片っ端から顔を出して、大先輩の記者さんたちから色々な説教を聞いて・・・。憧れと現実のギャップに直面したこと、先に就職した友人から「もうやめたい」と相談されたこと、「これからはネットの時代だ!」と生意気言って当時の指導教官と対立したこと・・・、記事を読んでいたら昔の記憶が一気にブワーっって蘇ってきました。

何でだろう。この人の話と自分の記憶に共通性があるわけでもないのに、なんで泣いてしまったのだろう。どうして読んだあと、思わず記者の友人にURLを送りつけてしまったんだろう。

この1ヶ月間、そんなことを悶々と考えていました。

ベテラン記者さんの文章なので、表現的なうまさはもちろんあると思うのですが、それだけではない気がします。うまく言えないのですが、書き手が「当事者」であることによって、書かれた文章の「熱」とか「力」のようなものと、「ストーリー」の組み合わせがすごく強くて、それが読み手に届いているんではないか、と。

第三者が取材して、誰かの想いを届けている文章とは違って、普段取材している人自身が「当事者」である出来事の文章だからこそ、行間に滲む感情だったり思いが読み手にも伝わって、読み手のもつ自身の記憶とつながったり、共感を生んだりするのではないかと思いました。

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企業のオウンドメディアの支援を行っていると、作り手の「想い」だったり「こだわり」を伝えたいというご相談を、よくいただきます。

でも、文章と写真だけで伝えることって、すごく難しいんですよね。その人の話し方だったりたたずまいだったり、「人柄」がわかることで初めて伝わることも多いと思うんです。第三者が聞き取って文章にすると、どうしても人のフィルターが介在してしまって、「熱」とか「力」のような大事な要素も削ぎ落とされてしまうことがあります。

そこで、私の会社では動画や音声を使って表現することもチャレンジするようになりました。たとえば、少し前に制作させていただいた三陽山長さんの動画をご紹介します↓。

動画でも編集は入ってしまいますが、文章と写真だけに比べると、どんな人が作っているのかとか、作業場の音、ミシンの音、仕上げの工程など、伝えられる情報量は多いです。これからもっと模索して、作り手の「熱」を伝えられるコンテンツを考えていきたいなと思います。


また私の会社では、企業向けのコンテンツ支援だけではなく、自治体のふるさと納税の支援も行っています。社内メンバーの出身地の、島根県津和野町の支援をここ2年間ほど続けているのですが、中でも反響が大きかったのが「こども宅食×お米農家支援」のプロジェクトです。

すでに終了してしまっているクラウドファンディングのプロジェクトなのですが、目標金額の約2倍の金額を寄付いただきました。

このプロジェクトが成功したポイントは「ストーリー」だと思っています。単純な返礼品としての「お米」ではなくて、「こども宅食に提供されるお米」を支援する、というストーリーがついたことによって、取組みが”共感”できる特別なものになり、寄付先として選んでいただけたのではないかと思います。


当事者の「熱」と「ストーリー」。

これをうまく伝えることが、忙しくて記事をななめ読みしてしまう中でも「心に残る」「記憶に残る」コンテンツにつながるのではないかなー、と今のところ思っています。まだまだ方法は模索中ですが・・・。

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