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わかる!わかるよ売れない師(失礼!)霊感なしと言い切るのがとてもステキ【創作大賞感想】


好きな占いだけをメインに仕事ができたらどんなに幸せだろう。

これ、占い師やってる人ならほとんどが思うことじゃないかなと思う(ニホンゴ チョト オカシイネ)。

でも悲しいかな、占い師の仕事ってそう甘くはない。
たとえ館に所属していたって、お客は派手なパフォーマンスや口コミの多い占い師のところに流れる。



館って出来高制がほとんどだし、だからお客を取れなきゃもう本当にただ席を温めているだけ。

お客を取るってじゃあどうすればいいの?っていうと、
それっぽくミステリアスなことを言ったり、相手が言って欲しいことをリップサービス(アゲ鑑定ね)したり……。

つまり本来の悩みの解決以前に、非日常的な経験をどれだけ味あわせてあげられるか、が人気の分かれ道だったりする。

世間は「霊感」という言葉に弱いんだよね。
何でも霊感って付いていれば、スゴイ能力の持ち主みたいに思われるというか。

実際問題、霊感なんかなくたってちゃんと占えるし、
むしろ霊感にこだわる占い師の方が、案外「認められたいコンプレックス」を抱えていたりするのだけれど。


そんな中、とてもいさぎよいタイトルの作品に出会った。
それが ▼これ(ニホンゴ チョt……以下略)。

「底辺占い師だった私、スーパー霊能者に予言される。」


底辺占い師とか、霊感なし占い師とか


まずタイトルの潔さ。
だって「底辺占い師だった私」よ?すごくない?
ふつう、自分のことは少しでも売れっ子に見せかけたいものなのに。


そしてハンドルネームの頭に「霊感なし占い師」って付いちゃってる。

少しでも霊感があるように見せかけたい占い師が多い中、あまりに男前すぎて「惚れたわ」ってなっちゃいましたわ。


しかもご本人は「霊感ある人うらやましい」ってスタンスなので、
そこが非常に素直で大変よろしいと思うのです。(何様←


霊感のない私でも、
霊感のある人達に囲まれるような場所にいたら
"ちょっと不思議な能力目覚めちゃうかも?!"と思ってたんだけど
全然そんなことなかった(笑)。
霊感ないままの人生は続くよ、どこまでも。

底辺占い師だった私、スーパー霊能者に予言される。〜0〜


作者のあわさんって、占いをしっかり勉強された方だと思う


このコミックエッセイ、読んでいると そこかしこに
「あわさんて、しっかり占いを学んでいる人なんだな」と思える場面が登場する。


まず、使っているカードがちょっとマニアックなのね。
読みこなすのがなかなかに難しいカード。

そして卜術だけでなく命術も習得されている。
(これは館所属には必須条件)


さらにネット上の情報もしっかり拾っているというか、オラクルカードやエンジェルナンバーまで情報収集しているという幅の広さ!

マンガの中に出てくる鑑定内容もきちんとしてるし、
もうこれ、私が占って欲しいレベル(笑)
マンガの絵柄自体もとっても可愛いしね。

謎のスーパー霊能者出現につい自分を重ねてしまった


このマンガ、内容はほぼタイトル通りなのだけど、売れない師・・・・・である主人公が
「がんばらなきゃ、がんばらなきゃ、がんばらなきゃ」
と、焦っているところに謎のスーパー霊能者(お客)が現れて背中を押してくれる、というストーリー展開になっている。


何を隠そう、この私も「謎のお客との出会いで人生が変わった」経験を持つ占い師の一人。

フラリと私の前に現れた男性に、
「導かれるように夕貴さんの前に座ってた」なんて言われたことがあったのだけれど……
ついその時の自分と重ねてしまったんだよね、読みながら。


このマンガの作者のあわさんも、突然現れた謎のスーパー霊能者に
「ここを通ったら『来なきゃいけない』気がして」と言われたそうで、

そういう人が現れる時って、
「見えない世界からのメッセージ」が、その人を通して伝えられているんじゃないかって思うんだよね(笑)

(事実、私はそんな感じでした。彼とのエピソードは創作大賞のエッセイ部門に投稿してありますので、よろしければぜひご覧ください)


「いやいやダメでしょ、それはw」ツッコミどころも満載だけど(笑)


ご本人も作品中に描いていらっしゃるように、お金払ってもらって「鑑定中にお客さまから話を聞く」のは
いやいやいや、ダメでしょ~~~~
なんだけど(笑)

あと、録音!? いやそれ絶対ダメだから~~~~
なんだけど(笑)



でも読んでいると分かるんだけど、自分のためじゃなくて、お客さんのためっていう気持ちがとっても強い方なのね。素直で優しい。

「そうしたら私ももう少し
占い師としてお客さんに伝えてあげられたのかな……」

なんて、あわさんとっても人がいい。いいひと。(ニホンゴ)

「もし私がそっちに行っていいなら
宇宙 私にサインおしらせをください」

これね、私もよく心の中で唱えるんです。
私の場合は宇宙じゃなくて、スピリットガイドなんだけど。(どっちでもいい)

でも本当にサイン、来るんだよねこれが……。

最後まで楽しく読めます。オチもいいよ!


そんなわけで、創作大賞『コミックエッセイ部門』応募作品
「底辺占い師だった私、スーパー霊能者に予言される。」
……
についての感想を書かせて頂きました。


「占い師側の話なんて、別に自分とは関係ないし」
なんて思うかもしれませんが、これ実はそうでもないんだよね。

本業だけではうまくいかなくて、副業を重ねて何とか生活をしのぐとか、
自分にはないものを持っている人がうらやましいとか、

ちょっとしたコンプレックスを抱えながら仕事してるのは、占い師も同じ。
だから意外と共感できるんじゃないかな。


何より主人公がとっても人柄がよくて、読んでいてほっこりさせられる。
それに、最後のオチもいいよ(笑)

みなさまもぜひ、読んでみてください!



#創作大賞2024
#創作大賞感想

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