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ストレスで眠れない夜のリラックス呼吸法

米海軍特殊部隊(Navy SEALs)が実践する集中力向上・ストレス軽減トレーニング


あなたは明日大事な会議・面接を控えています。最高のパフォーマンスを出すために、絶対に寝たい。けれどどうしても寝れない。寝れば寝ようとするほど、目が冴えてしまう。仕事でのイライラを思い出してモヤモヤする。ストレスやプレッシャーでなかなか寝付けない、そんな夜に使える呼吸法をご紹介します。

私たちの睡眠は、仕事で成果を出すための鍵です。仕事で集中するテクニックとか、モチベーションを上げるテクニック、時間術など様々な生産性向上のメソッドはありますが、どんなメソッドを使っても、睡眠不足からくる集中力低下、決断力低下、やる気低下、眠気・だるさといった悪影響には、対処しようがありません。
そう考えると、仕事で高いパフォーマンスを出すために、まず変えるべきは睡眠。
小手先の知識で色々なテクニックを試したとしても、最高の睡眠以上に仕事での成果に直結する投資はありません。

そうはいっても1日8時間仕事に拘束されるビジネスパーソンの場合、帰宅後は家族と過ごしたり、読書をしたり、趣味や副業の時間を過ごしたり、ついつい夜遅くまで起きて作業してしまいます。
結果として睡眠時間が十分に確保できず、通勤電車で爆睡・・・・会議中に眠くなる・・・そんな負のループに陥ってしまう。
睡眠が大切とはわかっていても、睡眠不足から来る仕事へのデメリットについては、正しく認識していない方も多いのではないでしょうか?

睡眠不足からくるデメリットTOP3@ビジネス

  • 集中力の低下

  • 認知機能の低下(判断力や問題解決能力↓)

  • 創造性の低下(新しいアイデアを生み出す力↓)

これらはすべて、仕事のパフォーマンスに直接影響を及ぼします。
また、長期的には健康への悪影響も懸念されます。慢性的な睡眠不足は心疾患、糖尿病、肥満のリスクを高め、免疫力も低下させると言われています。

私自身、20年以上組織の中で働く中で、自分の能力が足りない、知識が足りない、経験が足りないと悩んでいた時期があります。
けれど俯瞰してみると大きな会社組織の中において、個人の能力の差なんて誤差みたいなものだと思っています。なぜなら、基本的に組織はチームで仕事をするからです。
個人の能力だけで足りない時には、他のチームメンバーを入れたり、外注したり、それが出来るのが組織の強みです。
つまり、明らかな能力不足であれば会社は対処しようがありますが、個人の睡眠不足から来る慢性的なパフォーマンス低下、こればかりは会社にとっても本人にとっても大きな負債であり、深刻な問題です。
(長期的にパフォーマンスが出せなくても、会社は簡単に社員を解雇できません。良くも悪くも労働法のもと、ガチガチに守られているのが日本の会社員です)

なぜ眠れないのか?


では、なぜ眠れなくなるのでしょうか?主な要因は個人のライフスタイルによるところが大きいですが、眠れなくなるメカニズムとしては

<要因>
ストレス
不規則な生活
スマホの使用

<生理学的反応>
▶︎ ストレス→体内でコルチゾール増加 →交感神経活性化 →心拍数・血圧上昇・体が緊張状態 → リラックスが難しい
▶︎不規則な生活→メラトニン(睡眠ホルモン)の分泌が抑制 → 副交感神経を優位になりづらい → 自然な眠気がおきづらくなる

スマホを目覚ましがわりにすることで、私たちはスマホをベットの中に持ち込むことが普通になっています。
けれど、スマホをベットに持ち込んで、スマホを触らずにそのまま寝ることはほとんどありません。手に取ると必ず見てしまう、そんなスマホ中毒に陥っている人が多いのではないでしょうか。
一度スマホを見始めると、あっというまに30分〜1時間が過ぎてしまうだけでなく、朝起きてすぐ、ベットの中でスマホを見始めることにも。

スマホを寝室に持ち込まない、これだけの習慣が私たちの睡眠時間を伸ばしてくれるのです。具体的には、夜にスマホを見ないことで、ブルーライトの影響を避けられ、メラトニンの分泌が正常に行われるため、自然に眠りにつきやすくなります。また、交感神経が刺激されにくくなるため、リラックスした状態で睡眠に入れます。さらに、朝もスマホを見ないことで、心地よい目覚めを迎え、一日のスタートがより爽やかになります。
そう考えると、今スマホと一緒に寝ている方は、スマホを寝室に持ち込まない工夫が必要かもしれません。このシンプルな習慣の変更が、睡眠の質改善につながります。

夜眠れるようになる呼吸法


夜眠りやすくするための工夫はいくつかあげられます。

  • 寝る90分前にお風呂に入る

  • 寝る直前のスマホ・PCは控える

  • カフェイン・アルコールは控える

  • 適度な運動をする

  • 同じ時間に寝る習慣をつける

  • リラックス音楽をかける

眠りやすい環境を整えても、どうしても寝れない、そんな時に効果的な解決策の一つとして、呼吸法があります。
呼吸法は、直接自律神経に 直接アプローチできるため、すぐに効果を感じやすく、5分程度で実践できるため、毎日の習慣としても取り入れやすいです。
呼吸法には大きく3つのタイプがあります。

▶︎ 交感神経を刺激するもの
▶︎副交感神経を刺激にするもの
▶︎副交感神経と交感神経のバランスをとってくれるもの

8Limbs Sadhana

リラックス呼吸法 4:8


夜眠れない時には、特に副交感神経を刺激してくれるタイプの呼吸法がおすすめです。その一つが4:8のリラックス呼吸法です。
4:8の呼吸法は非常にシンプルです。4秒で吸って、8秒で吐く。
4:8呼吸法は、吐く息を長くすることで副交感神経を活性化させ、深いリラックス状態に導きます。吐く息が長いことで、体内の二酸化炭素濃度が上昇し、副交感神経が優位になります。この呼吸法は、深いリラックスやストレス解消が必要なときに効果的です。眠りに入る前や、深いリラックスを求めるときに特に適しています。
注意点:
運転の前などは行わないよう注意が必要です。


ボックス呼吸法 4:4:4:4


4:8の呼吸法の他にも、高ストレス下で緊張状態にある場合には、ボックス呼吸法もおすすめです。
ボックス呼吸法は4:4:4:4で、吸って・止めて・吐いて・止めてを4秒づつ繰り返していくシンプルな呼吸法です。
このテクニックは、米軍海軍や軍隊でも用いられていて、戦闘環境下でも心を落ち着かせ、集中力を高めるために用いられています。

米海軍特殊部隊(Navy SEALs)では、ボックス呼吸法がストレス管理や集中力向上のためのトレーニングの一環として導入されています 。
米国空軍でも、パイロットやその他の職員がストレスの高い状況で冷静さを保つためにボックス呼吸法を利用しています 。

Box 呼吸法

ボックス呼吸法は吸う息と吐く息を同じ長さにすることで、呼吸を均等に整えることを目的としています。
これにより、交感神経と副交感神経のバランスが整い、心身がリラックス状態に移行しやすくなります。ボックス呼吸法はストレスや緊張があるときに効果的であり、すばやくリフレッシュしたいときに適しています。
また、ボックス呼吸法においては息を止めるフェーズが入ります。息を止めることで、CO2濃度が上昇し、副交感神経を活性化・心身のリラックスを促進します。4:8リラックス呼吸法と同様、ボックス呼吸法でも息を止めるステップが入ることで、リラックス効果が期待できます。


具体的な呼吸法の実践方法


寝る前に行う呼吸法は、鼻呼吸で、ウジャイー呼吸(海の音)を意識しながら行うと、より効果が感じやすいです。

<鼻呼吸がおすすめの理由>
フィルター機能: 鼻毛や粘膜が空気中の微粒子や細菌をフィルタリングし、呼吸器官への侵入を防ぎます。
温度と湿度の調整: 鼻腔が外部の冷たい乾燥した空気を加温・加湿し、肺への影響を和らげます。
一酸化窒素の生成: 鼻からの吸気は、鼻腔に存在する一酸化窒素(NO)の生成を促し、血管を拡張して酸素供給を増加させます。
口腔内の微生物制御: 口呼吸よりも鼻呼吸の方が、口腔内の微生物の増殖を抑制し、口臭や歯周病などのリスクを低減します。
ダイアフラムの活性化: 鼻呼吸は腹式呼吸を促進し、ダイアフラムを効果的に活性化させ、肺の容量を増やして酸素の取り込み量を増加させます。

なぜ鼻呼吸?

<ウジャイー呼吸(海の音)>


リラックス呼吸法とボックス呼吸法、両方に使えます。
ウジャイー呼吸は、吸う時と吐く時に喉奥を半分狭めることで、喉の奥から聞こえる「海の音」のような呼吸音が特徴です。
ガラスの扉にハーッという白い息を吐きかけるのをイメージしてください。このハーッという呼吸を、口を閉じて行うとウジャイー呼吸の感覚が掴みやすいです。

  • 喉を狭めることで、喉の奥からスーっという音が聞こえます。この呼吸音に意識を集中することで、心を静める効果が期待できます

  • 喉の奥の部分を刺激すると、迷走神経と呼ばれる神経が刺激され、副交感神経が活性化します

<呼吸を止める効果的な方法:ボックス呼吸法>

呼吸を止める時には、プラーナーヤーマムドラーで鼻を摘むことが効果的です。これには次のような生理学的な理由があります:

▶︎ 鼻の摘むことで、呼吸をコントロールしやすくなる:鼻を摘むことで、呼吸を一時的に制限することができます。これにより、呼吸を止めるタイミングや時間をより意識的にコントロールすることができます。
▶︎  血圧の変化を抑制する:鼻を摘むことで、血圧の変化を抑制する効果があります。呼吸を止める際に血圧が急激に変化するのを防ぎ、安定した状態を保つことができます。

クンバカ

眠れない夜には、ゆっくり吐く4:8リラックス呼吸&ボックス呼吸がおすすめ


ビジネスパーソンにとって、質の高い睡眠はパフォーマンスを最大化するために欠かせません。
よく寝れた次の日は、圧倒的に仕事が捗る!仕事がはかどれば、残業せずに早く仕事を終わらせて帰宅できる。早く寝れば、翌朝も気持ちよく起きれる!というポジティブループに変えていくことができます。
眠れない夜を減らすために、毎日の習慣に呼吸法を取り入れてみてください。

  • 4:8 リラックス呼吸法:副交感神経にアプローチ

  • ボックス呼吸法:副交感神経と交感神経のバランス。息をホールドするためリラックス効果も。ストレス下で緊張を和らげ集中したい時にもおすすめ。

個人的には、息をホールドする時に、プラーナーヤーマムドラーで手を使って鼻の鼻腔を塞ぐアプローチがおすすめです。息を止めている感覚を意識しやすく、楽に止められる感覚があります。
Enjoy your breath!

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