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観光船事業者に「エイトノット AI CAPTAIN」を初導入しました!

 いつもご覧いただきありがとうございます!エイトノットの奥田です。
 今回は、前回記事のあとがきの通り、弊社の瀬戸内初の導入事例についてご紹介します!
 この度弊社の自律航行ソリューション「エイトノット AI CAPTAIN(以下、AI CAPTAIN)」を導入いただいたのは、愛媛県大三島にある、主に宿泊施設の運営をされている株式会社わっか 様です!
 わっか様とは昨年度から愛媛県の助成事業である「トライアングルエヒメ」にてご一緒させていただいており、今年度晴れて「AI CAPTAIN」を導入することがが決定しました。

トライアングル愛媛について

 本件は、愛媛県の助成事業である「トライアングル愛媛」での実装案件になります。
 トライアングル愛媛は、「デジタル企業の成長」「愛媛県(地域)の発展」「地域事業者の稼ぐ力の向上」の3つの観点から、デジタル・ソリューションと関連技術(AI,IoT,ロボティクスetc...)を愛媛県内事業者・自治体等に実装し、地域課題の解決にチャレンジする目的とした「デジタル実装加速化プロジェクト」として、2022年度にスタートしました。

2022年度の事業

 弊社も2022年度事業から参画しており、2022年度では、わっか様に弊社の船「Eight Knot Ⅰ」を運航していただき、海上タクシー事業を実施しました。

2022年度ではわっか様にEight Knot Ⅰを運航していただきました

 2022年度事業では、運用検証フェーズ、実装検証フェーズの2段階に分けて実施しました。
 運用検証フェーズでは海域での安全性の確認や運航手順の確立を目的とした実証を、実装検証フェーズではマーケティング施策も含めて、本格的に旅客を集客・運用しました。
 この時に、わっか様から「うちの船でも自律航行できるようになってくれると嬉しい」といったお言葉をいただき、「ぜひ次年度の案件で実装しましょう!」となりました。

2023年の事業

 無事今年度も事業採択をいただき、わっか様船舶への「AI CAPTAIN」搭載が決定しました!
 わっか様が所有されている船舶は、弊社の「Eight Knot Ⅰ」と同系統の船型ではありますが、弊社の船との大きな違いはエンジンにあります!

Eight Knot Ⅰの船外機(左)とWAKKAの船外機(右)の比較

 比較して見ると、とても大きい船外機なのが分かります。
 しかし、今回違うのはサイズだけではありません。
 弊社のnoteなどで度々登場している「Eight Knot Ⅰ」は電動の船外機なのに対し、今回導入するわっか様の船舶はエンジンの船外機になります。エンジンの船外機は、電動に比べて馬力が高い(=スピードが速い)、航続距離が長いことが特徴です。
 今までたくさんの方々に弊社の船舶に乗船いただき、「エンジン船はできないの?」と聞かれて、「エンジン船にも対応できますよ」と回答するだけでしたが、ついにエンジン船への導入事例ができました!
 今回の事例は弊社にとって瀬戸内初の事例でもあり、エンジン船初の導入事例にもなります。
 早速、システム導入の様子を見ていきましょう。

リニューアル前のWAKKA
この船に自律航行に必要な機器を取り付けます!

わっか様船舶「WAKKA」のリニューアル!

 わっか様所有の船舶「WAKKA」が今回作業の一部をお願いするマリーナへ入港しました。「AI CAPTAIN」を使うために必要なセンサーや制御ユニットなどの機器類を取り付けました!
 施工期間中は、再び「Eight KnotⅠ」をわっか様に貸渡し、期間中の代替船として使用していただきました。

陸揚げをして機器の取り付け
既存の船にも後付けで搭載できます!

 施工を終え、新たな姿となった「WAKKA」が大三島へ戻ってきました。
施工前の写真と比べてみると、船首部に新たなポールと機器がついています。
 船首部のポールにはLiDAR、カメラ、GPSなどのセンサーが取り付けられています。このセンサー類で周囲の障害物や船を検知し、GPSによって自己位置を測定しながら安全に自律航行を行います。

大三島へ戻ってきたWAKKA
船首部だけでなく、操船席の後ろにもセンサーが取り付けられています

 続いて、操船を行うフライングブリッジに上がってみました。
操船席の中央には、弊社のシステムを操作するためのタブレット(下図の赤枠)が取り付けられています。
 このタブレット上で出発地/目的地の選択や周囲のリアルタイムのカメラ映像を確認することや、自律航行のスタート/ストップを行うことができます。

WAKKAの操船席
ハンドルの下には自律/手動の切り替えスイッチもついています

 船室内の操舵スタンドの中には、船を操船するための制御ユニットなどが取り付けられています。ここへ各センサーからの情報が集約され、船の制御情報を船外機に伝えます。

 大三島へ戻ってきたWAKKAですが、ここから航行テストを行います!
 航行テストでは、取り付けたセンサーや制御のシステムが、シミュレーターで検証した際と同じように動作するかをテストします。
 お客様の手に渡る前に、実海域上で問題なく動作するかを確認し、自信をもってお客様に安心して使えるシステムだとご提供できるように確認しました。
 特に、今回の船舶ではこれまでのセンサー類に加えて、舶用のレーダーも搭載しています。
 レーダーを搭載することでより遠くの船舶を検知することが可能となり、制御可能な船速の増加が実現しました!

 実海域でのテストを終え、自律航行機能を備えた「WAKKA」を引き渡しました。
 システムの使い方やセンサー類の説明などを一通り行い、実際に代表取締役の村上社長に乗船いただいて、システムの使用方法について確認いただきました。村上社長からは、「自動で船が動いてくれるので操船面でかなり楽になる」などのお言葉をいただきました。
 今後は、自律航行機能を使用いただき、使用感や機能面でのフィードバックをいただきながら、定期的にアップデートを加えていきます。

サンセットクルーズのご紹介

 最後に、わっか様の新アクティビティについてご紹介いたします。
 この度、弊社の船を導入したことを機に、わっか様では「自動航行サンセットクルーズ」という新たなアクティビティが始まりました!
 船長1名の乗船はありますが、プライベート空間で、夕日とともにクルーズをお楽しみいただけます。
 クルーズ時間は凡そ1時間。WAKKA桟橋を出港し、大久野島方面へ北航、少し沖合で停留したのちに、WAKKA桟橋へ帰港します。
 また、本アクティビティでは、スパークリングワイン/ホットワイン/ビール/ソフトドリンクから1つ選択いただけます。さらにはオプションで釣りやドローン撮影といったサービスも!こちらは予約時にわっか様へお伝えください。
 これまで、わっか様はクルージングの催行時間を「日の出~日の入り」としてました。これはわっか様のボートが夜間航行が装備などの理由から、安全性に若干の不安があったからです。
 「AI CAPTAIN」の導入により、夜間でもセンサー類による周囲の障害物検知や回避、航行ルートの自動設計によって浅瀬など危険なエリアに近づかないことが保証され、わっか様がかねてより行いたかったサンセットクルーズの催行が可能となりました。
 今回の導入に対して、株式会社わっか 代表取締役の村上 あらし様からは「センサーが感知して回避してくれるので夜の暗い時間も航行できるようになった」「営業時間も伸ばせて売り上げの向上も期待できる」といったお言葉をいただきました。「AI CAPTAIN」の導入によって、導入した事業者様の安全性だけでなく、売り上げなど様々なメリットが期待されます!
※サンセットクルーズの催行内容などについては下記URLよりご覧いただけます
https://wakka.site/travel/activity/11432/

わっか様の新アクティビティ、「サンセットクルーズ」のご紹介!

 今回は、弊社として初めての事業者様への導入事例の紹介をお届けしました!
 今後も多くの方に導入いただけるよう取り組んでまいります!
 次回更新をお楽しみに!

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