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学会参加レポート

 初めての学会参加は、私にとって特別な体験でした。第73回農業農村工学会、青森県弘前市で開催されたこの学会は、私の人生で最も北に行った場所でもあります。新しい知識を得るだけでなく、地域の文化や風景にも触れることができる貴重な機会でした。
 本記事では、この学会と弘前の魅力についてレポートします。

第73回農業農村工学会

聴講

 学会では、多くの興味深いテーマが取り上げられました。農業農村工学会では、土や構造物の材質に関するものから治水対策、生態系保全対策など幅広い分野の発表が為されています。私自身は、灌漑系の研究をしていることもあり、主に用水計画や水文・治水対策、農村計画の発表を聞きました。実践的な内容が中心であり、普段中々現場に出ることのない私にとってはどれもが興味深い話でありました。
 今回の学会では特に治水関連の研究が多かったように思います。近年では、田んぼダムといった取り組みが全国的に取り組まれていますが、その治水効果が十全に発揮される場所などについては未だに議論が行われるところです。また、ため池や配水施設の管理など農業従事者の高齢化と減少が進む中、如何に省力化しつつ機能を保つかという議論もありました.
 どの発表でも意見交換が活発に行われており、様々な視点からの質問が出されていました。自身では未だに思い浮かばない質問の数々には、「なるほど、こういう視点でも見れるのか」と勉強になるばかりでした。

発表

 私自身も発表を行いました。今回は、聞きに来てくださった方と一対一での意見交換を行いたいと思い、ポスターで発表を行いました。コアタイムは1時間と長いように感じますが、説明や意見交換を行うと意外と短い時間でした。自身の研究を理路整然とした説明をスムーズに誤解無く行うことの難しさは、卒業研究発表のときから変わりませんでした。ただ、練習の成果が出た発表を行えたと思います。意見交換もできたので、今後の研究への意欲が高まりました。

懇親会・若手会

 懇親会では青森の料理やお酒が出される中、研究者の方々にご挨拶させていただきました。お酒を酌み交わす中で、新たな繋がりと知見を得ることができました。懇親会では、地元の料理だけでなくシードルや日本酒といった様々なお酒を飲むこともできました。
 また、学生、若手研究者だけで構成された若手会では、他大学の学生たちとが行われ、同年代の人たちと貴重なネットワークを築くことができました。

現地研修会

 学会は3日間の開催でしたが,次の日には現地研修会として国営事業所所管の農業水利施設などを見学できます。
 今回は、屏風山地区の畑地灌漑施設、若宮用排水機場、芦野頭首工の3つの施設を見ました。青森という土地柄による問題(冷害や河面の氷結など)が起こることは現地に行って話を聞かないと中々想像ができませんでした。また、施設の運用管理の話、近年話題のスマート農業の設備、写真上ではありますが普段お目にかかれない頭首工の建設中の写真は、中々伺えないため現地研修会も自身の知見を広げる良い機会でした。

芦野頭首工(国営十三湖地区)

弘前観光

観光スポット

 弘前市は、津軽藩時代の城下町と明治維新後に軍部として開発された際に建てられた洋館が立ち並ぶ美しい街です。和洋双方の建物が残る街は珍しく,散策するだけでも楽しめます。
 今回私が訪れたのは,太宰治学びの家や旧弘前偕行社です。いずれも明治・大正当時の文化や歴史を感じさせてくれる場所でした。残念なことに弘前城には行けなかったので、次回の訪問の際には是が非でも行きたいところです。

旧弘前偕行社 ホール
太宰治 まなびの家

食事

 食事もまた、弘前の魅力の一つです。やはり青森と言えば、「リンゴ」を想像する方が多いのではないでしょうか。弘前は、青森県の中でも有数のリンゴの産地であり、市内には多数のアップルパイを販売しているお店があります。今回行ったのは,アートホテル一階にあるカフェのものと、弘前大学構内のカフェです。シナモンの効いた甘いものもあればリンゴの素材を活かしたものもあり、同じアップルパイでも飽きが来ず楽しむことができました。
 他にも弘前では新鮮な海鮮も食べることができ、それを使った美味しい料理があります。有名なものとしては、ホタテの貝焼き味噌です。ホタテ貝を器にして、ホタテと卵を味噌だしで焼いた料理です。見た目からも楽しめますが、弘前に行った際には絶対に食べようと思えるほどでした。また、イガメンチというイカのゲソをミンチにしてその他野菜とまとめて揚げた郷土料理も食しました。どれも非常に美味しく地域の味を堪能できました。

アートホテル一階カフェのアップルパイとリンゴの紅茶

総括

 農業農村工学会への参加は私にとって多くの学びと出会いをもたらしてくれました。弘前での経験は、忘れられない思い出となるでしょう。来年も学会は続きます。今後もこのような機会を大切にし、自身の成長につなげていきたいと思います。

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