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M型ライカを買った、ただ切実だった。

デジタルとフィルム、どっちがいいの?って話の決着として、頑張れるほうをやればいいよ、という結論を聞いたことがあります。暗室かパソコンの前か、自分に合っているほうをやればいいのだと。

それと似たような理由で、M型ライカを買いました。

エルマーじゃないよヘキサーだよ

フィルムかデジタルかという話をデジタルに限りさらに進めたとき、一眼レフか? ミラーレスか? というような選択が出てきたのです。わたしはフィルムカメラの分解整備からカメラに入ったくちでして、デジタルでの撮影においてもライブビューで構図をどうこうするより、目で見て構図を組むほうが性に合っているようでして。あれこれ試した末、ああ、ミラーレスでもない、一眼レフでもない、レンジファインダーが自分にとってのカメラなんだなと。

ヘキサー50mmF3.5

購入したのはTyp262、Typ240の派生モデルで動画機能やライブビューなどあれこれオミットされたモデルです。値段的に安かった(高かった!)のもありますが、それはそれとして動画もライブビューも出来ないというのがグッときて、これはなんだかとてもスチルカメラだぞと。

NOKTON CLASSIC 35mm F1.4

写真を撮る事しか出来ない、今の時代でいうデジタルカメラからすれば出来損ないもいいところで、君、そんなことも出来ないの? と言われても仕方がないカメラ。ですが、わたしにはそれでいい、それだけでいい。わたしは写真が撮りたい、ただそれだけなのですから。

なので、ライカの話はできないのです。ライカのレンズはエルマーすら持っていませんし、買うつもりもありません。ただデジタルのレンジファインダーカメラが欲しくて欲しくてしょうがなかった。なんだかそれが、ただ写真を撮りたいというある種切実さに、唯一応えてくれるカメラだったような気がして。

ヘキサー50mmF3.5

型落ちの機種ですらウン十万もするカメラをぶら下げて、撮るものといえばそこらの見たことがあるような風景だけ。未だ愛機として手放せないOLYMPUS PEN E-P7でも撮れるような写真ばかり。だけどどうだろう、本当に他のカメラでも撮れるだろうか? と思うと、撮れないような気もしてしまう。

Jupiter8 50mm F2

このカメラなら写真が撮れる。
ばかなわたしは本気でそう思ったのです。
使うレンズはオールドの安物ばかり、たかだか数十万でも全額ローンでなければ買えないようなみっともない大人になって、部屋も散らかり放題で格好のつかない、放っておけば蛆のわくようなわたしですが、そんなわたしでもこれなら、これならば。
写真が撮れたとて、何にもならないというのに。

愛機とライカ

何にもならずとも、撮らない日は無い。撮り続けた先に何かがあって、その先にもまだ何かがあると信じている。

それは切実な祈りです。断固とした信仰です。
そのためには、無理をしてでもライカが必要でした。

そんな話。

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