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写真はまず正面を意識するだけでいいかもしれない

正面ってなんでしょう。壁に対しての正面はきっと垂直面からの視点でしょうけれど、りんごの正面ってどこでしょう。構図とはそこに尽きると思います。

正面がわかりやすいりんご

この写真の正面はりんごを洗う人の目線か第三者の目線かで別れると思います。わたしとしてはりんごを洗う側から撮りたかったのですが、りんごを洗うという大役を任せておいてカメラを構えるなど不敬でありますゆえ、第三者目線に徹した写真です。

これはわかりやすく正面ですね。水準器の水平垂直を意識して、目線の高さを地面から構図外の屋根までの中心に持ってきています。被写体を平面的に捉えることで画を絵画っぽく仕上げ、陰影で奥行きを出すという基本にして忘れがちな構図です。三分割法とかなんとか、そんなのではなく、ただ正面を意識しています。

ではこの写真は正面でしょうか?むずかしいなあと感じますが、やはりこれも「わたし的正面」です。そんなんなんでもありですやんって感じですが、標識なんて大抵は見上げるもので、被写体として明確にしながら垂直面からの撮影なんて大抵不可能です。ではなぜこの写真が正面かというと、標識を構成する要素と光源の位置を明確にしているからです。もしハシゴを使って馬鹿正直に真正面から撮ったとすると、おそらくあまりに平面的でつまらないだろうと思います。それにそれは標識の図鑑であって、この標識がここに立っているという事象の正面を捉えていないような気がします。被写体の構成要素と周辺の状況を含め、正面を判断しています。

ただここまで書いておいてなんですが、結局のところ正面とは個々の解釈に委ねられるわけでして、明確なコツや技法というより、撮影者の心持ちとして「正面」を意識したほうが良い感じに撮影できるんじゃないかな、という程度の話です。もっと砕いて言うとイケてる角度です。斜め45°的な話だと思います。無理に説明するならば「絵画と相対したときの目線」といった感じでしょうか。なので今回は写真に枠をつけました。額装された絵を想像しながら撮影するのも良いかもしれません。単に垂直を意識するだけでもだいぶ良い感じになると思われます。ということで他にもいくらか額装してみました。おつかれさまでした。

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