【おすすめ本】真・善・美。今の僕に必要なことを教えてくれた本。
美意識を鍛えている世界のエリート。
グローバル企業が世界的に有名なアートスクールに幹部候補を送り込む。ニューヨークやロンドンの知的専門職が早朝に行われるギャラリートークに参加する。
世界のエリートが今、本気で「美意識」を鍛えているらしい。なぜなら、従来のサイエンス重視の意思決定による経営では、今日のように複雑で不安定な世の中では通用しないとわかっているからだそうだ。
エリートでもなく、グローバルな活躍ともほど遠い僕にとって、理解できるかなと、最初は不安だった。
でも、いつもの知り合いのおススメだったこの本、やっぱりすぐに引き込まれるものだった。
2017年に初版が発行されたこの本。著者は山口周さんという方。
学生時代は哲学や美術史を専攻されていたそうで、本質を大切にしている心に響く文章の感じ、僕の好みにぴったりだった。
ビジネスにおけるハウツー本というより、自己啓発本って感じなのかもしれない。これからの働き方や組織に対する見方だけでなく、自分自身の生き方を考えるヒントになるような内容に感じた。
世界中の市場が「自己実現的消費」へ。
今の世の中を飛び交っている言葉、「承認欲求」「自己実現」「自分らしい生き方」などなど。僕もこの1年間、向き合ってきた言葉。
正直なところ、よく見たり、耳にしたりすることが多くなったこともあって、影響を受けてしまっている。そんな気もしている。
人類史においてはじめてといっていい「全地球規模での経済成長」が進展しつつあるいま、世界は巨大な「自己実現欲求の市場」へと向かっているそうだ。
確かに。言われてみればそうなのかもしれない。
こうした市場で戦うには論理的に機能的優位性や価格競争力を形成する能力よりも、人の承認欲求や自己実現欲求を刺激するような感性や美意識が重要と言っている。
なるほど。論理的に説明するのが苦手な僕には何となくいい世の中の傾向にも感じる。
「安全で快適な暮らしをしたい」といった欲求から、「認められたい」「自分らしい生き方を実現したい」といった欲求へ応える時代になっているみたいだ。
うん、うん。そうそう。でも自分にしっかり向き合ってみると、これがかなり大変なんだけど。
僕の世代は一般的にモノを欲しがる世代。洋服や時計、車、家などなど。そうしたものを購入することで、自分自身に対する安心感や納得感を満たしていた世代のような気がする。
一方、次世代は一般的にコトを大事にする世代だと言われている。自分のために、家族のために、友達のために、そして社会のために、どういう経験をするか、何を行うべきか。そんな素晴らしい考えをする素養を持っているようだ。
どちらが良いとか悪いとかいうよりも、いつの時代もみんな一生懸命生きていたんだよな~。って、最近は思う。比較しても意味がない。そして区別しても意味がない。
そう、お互いの価値観の違いを少しでも理解するよう、努めることが大事だと思っている。
ルールや法律だけを拠り所にしない。最後は自分次第?
近年、社会における様々な領域で「法律の整備が追いつかない」という問題が発生しているそうだ。法律だけを拠り所にして判断を行う実定法主義というものは、結果として大きく倫理を踏み外してしまう恐れがあるらしい。
過去にあった大手企業の不祥事がこのようなことを示していたそうだ。
そんな世界においてクオリティの高い意思決定を継続的にするためには、「真・善・美」を判断するための「美意識」が求められると書いてある。
企業哲学。そんなものを高いレベルで持っていくことが重要であると言っているようだった。
そう。そうだと思う。
広報の仕事やブランド戦略の仕事をしているとき、ずっとぶち当たってきたこの感じ。
ここをはっきりさせないと、世の中に自信をもって発信できない感じ。
自分が何者か分からなくなってくる感じ。
自分の人生を振りかえってしまう。
そう、この本がいう「美意識」は企業だけでなく、人、一人ひとりにも言えることだと思う。
最後は自分としての人間力。
人として、どれだけ、かっこよく生きていけるか・・・。
僕なりの美意識を追い求めていこう。
せめて、これからでも、かっこよく生きていきたいから。
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