コトブキ

アラフォー主婦です。 書くこととタイピングの音が好きなのでnoteを始めました。 (本…

コトブキ

アラフォー主婦です。 書くこととタイピングの音が好きなのでnoteを始めました。 (本当は子供の幼稚園の文集で毎年好評いただくので調子に乗って始めました)

最近の記事

ギソボノート2 「両家顔合わせ」

結婚が決まると両家の顔合わせというのがある。 顔合わせいつやろうか〜なんて悠長にゼクシィを眺めながら日取りに悩むことは私にはなかった。 私と彼は関東に住んでいた。 私は実家暮らし、彼は一人暮らしをしており実家は九州にある。 結婚式は関東で挙げることとなったのだが 両家とも多忙につき、どちらかに出向いて事前の顔合わせをするということができなかった。 ではどうしたかというと 結婚式当日を真ん中に挟み、二泊三日で彼の実家の方がみえたとき 初めて我が家で顔合わせをすることになった

    • 母の音

      その日、母は突然やってきた。 実家を離れ遠く静岡勤務になった娘が心配だったのだろう。 「こんなに散らかしてだらしないんだから〜」 着くなり片付けを始める母は妙に生き生きしていた。 寝る前に母がためてくれたお風呂に入った。 いつから湯船に浸かっていないだろう。 あの頃の私は心も体も疲弊していた。 翌朝キッチンから聞こえるトントントンという音で目を覚ました。 実家にいた時には気づきもしなかった安らぐ音。 目を閉じたままその音に耳を傾けた。 朝食のあとお茶を入れながら 「こ

      • ギソボノート1「履歴書」

        約10年前のこと。 初めて会ったその人は、おおよそ80を過ぎたおばあちゃんなんて生やさしい表現がまるで当てはまらない凛とした人だった。 背筋はシャンとしており、オレンジ寄りの茶色いショートヘアに90年代の「egg」でよく見たピンク色の口紅、まぶたは光の加減でターコイズブルーとラベンダーが入れ代わりラメと共にキラキラ輝いていた。 その姿勢の良さもさる事ながら彼女の持つ独特なオーラが、その小柄な体格を感じさせない代わりに、人間としての大きさのようなものを感じさせた。 当時

        • 多発消失性白点症候群(MEWDS:ミューズ)という病気

          水玉の世界「水玉」 というか厳密にいうと歪んだ円に近いもの。 トップの画像は当時私がスマホで再現したもの。 墨汁を和紙の上に落とし四方八方へ不規則ににじんでいくあの感じ。 眩しいカメラのフラッシュを浴びて一瞬目を閉じた時にまぶたの裏に見える黒い影と光の残像。 ある金曜日そんな歪んだ点や妙な残像が私の右目の視界に現れたのは2018年2月のある金曜日だった。 なんだかいつもと違うことに気づく。 片目ずつ見てみる。 右目がおかしい。 見ようとする先に黒い歪んだ点?というか影

        ギソボノート2 「両家顔合わせ」