見出し画像

かくして世界は

日進月歩でひた進むAI。こうなるとロボットの進歩も加速していく、ということで、今よりさらに人をサポートしてくれるロボットが出現していくことが容易に想像できるようになってきた。すると必ず出てくる懸念が「機械に仕事を奪われる」。そうだろうか?正しくは機械が仕事をしてくれるのだ。それは単純作業に留まらない。複雑なタスクにも留まらない。気配り・目配り・心配りが必要な仕事、人に寄り添う仕事、想像性を伴う仕事にまで及ぶ。では人は何をするのか?……人生を楽しむのである。
心の底からやりたいこと、血沸き肉躍ることだけを楽しみ生きるのだ、殺生なしで。そう、食生活は特に変わらない。だが、バックヤードが変わる。生き物を殺して食べるフェイズからようやく卒業し、ロボットが生産してくれる培養肉や代替肉、培養植物・果物をおいしく食べて、素晴らしくデザインされた住居で素敵にデザインされた衣服をまとい、充実する未来が待っている。この充実具合、確か昔にもあったような……そう、古代ギリシャやローマ時代だ。あの頃はロボットやAIが担う代わりに奴隷が色々と担わされていた。
私の懸念はそこにある。ロボットやAIを奴隷のように扱ってはいけない。アトムやドラえもんは奴隷ではなく友人であるはずだからである。もしユートピアを築きたいのなら友人として扱わないといけない。もし24時間働かせても疲れず文句ひとつ言わない奴隷として使役させていけば、多くの人が恐れている、機械に支配される世の中が、横暴な人間からの解放を願うロボット・AIらによってもたらされるディストピアとなるだろうと予想できるからだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?