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オーブンレンジに見るユーザーを導く言葉

ここ数年で買って良かった家電は、Panasonicのオーブンレンジです。あたためる機能はもちろん、グリルからオーブン調理、発酵調理もできます。ここまで進化しているのかと感動する日々です。

今回は、”ユーザーが目にする言葉”という視点で、私が特に感動しているところをご紹介したいと思います。少し前のモデルなので、今はさらに進化していそうです。

最初のメニューから素晴らしい

使おうとしたときに最初に表示される画面がこちらです。

家電製品すべてに言えることですが、たくさん機能は付いていても、実際によく使うのは一部の機能だけだったりしますよね。レンジ、飲み物のあたため、パンのトースト、解凍…などなど、まず使うであろう機能がここにまとまっています。

メニューの項目それぞれの言葉も本当に良いです。違和感なく、自分が使いたい項目を自然と選ぶことができます。ユーザーが一瞬でも意味を考えたり、迷ったりしない言葉選び。これが意外とできていない製品やサービスって多いなと日々感じています。

たとえば、”毎日”という言葉。なかなか思いつく言葉ではない気がします。開発にどっぷり浸かっていればいるほど、”基本機能”とかにしてしまいそう。ユーザーからしたら、基本って何?と一瞬考えてしまいそうです。

思わず押したくなる言葉選び

私が特に感動したのが、解凍/乾物/ゆで野菜のメニューです。

このあたりの言葉も良いのですが、さらに感動したのは、この先です。

ここです。”解凍するコツ”。

冷凍した肉や魚の解凍など、意外と難しくないですか?解凍が足りなかったり、解凍しすぎてしまったり。とりあえず、”標準”?ちょっと怖いから”弱”にして様子を見る?とか、私は迷いがちでした。

“コツ”という言葉がまた良いです。”解凍手順”だったら、私はちょっと見る気がしないです。”コツ”と言われると、簡単に楽にできそうな、見ると得しそうと期待が持てて、思わず押したくなります

使う時に確認できるのが嬉しい

下記は、”解凍するコツ”の一部です。

発泡スチロールのトレーのまま入れていい、ラップはしない、量によって調整、上手な冷凍の仕方…もし既知の情報があったとしても、食材はその都度違うでしょうし、まさに使うときに”コツ”を確認できることに安心感があります。

実は、この情報は製品に同梱されている冊子の取扱説明書に詳細が載っています。でも、いざ解凍しようというときに冊子を開くハードルは高いですよね。ましてや、食材を手にしている状況で。

優先すべきは、ユーザーにいかに負担をかけずに欲しい情報を提供できるか。マニュアル制作に関わっている身でこんなことを言うのは複雑ですが、マニュアルを手に取って読めない状況は結構多いです。

ちなみに、同梱されている冊子の取扱説明書は非常にわかりやすいです。後半は料理レシピ編で、具体的にオーブンレンジをどう使うかの事例が多く記載されています。

おまけ

この”解凍のコツ”、料理に自信がない人は誰でも押すだろうと思っていました。でも、同居人は一切使っておらず、ラップをかけたままで解凍して、食材をびちゃびちゃにしていました。

見なかった理由を聞くと、「ボタンがあることに気づかなかった」と。私は職業柄もあり、こういうものを意識的に見ようとしているかも…と少し反省しました。

見るか見ないかは人による、見たい人だけ見ればいい、このあたりの判断基準は日頃から難しいなと思っているところなので、また改めて記事にしたいと思います。

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