標高を変えた、暮らしも変わった
八ヶ岳の魅力の一つに、標高の高さがあると思う。
山なのだから、当たり前でしょ?と言われそうだけど、「標高が高い場所は健康に良い」というし、特に標高1000mのあたりは「胎内と気圧が同じ」だと聞いてから、標高の高さを魅力的に感じるようになった。
生まれた後も、母親のおなかの中にいるような環境で暮らすことが、心と体に良い影響を与えてくれるというのは、科学でいちいち証明してくれなくても納得がいく。
農家さんも、野菜をこの気圧下で育てると美味しく育つと言っていたので、生命全体に良い環境なのかもしれない。
意識の変化もあったのか、八ヶ岳で暮らすようになってから、日常のリズムも変わった。特に夕方、日が沈む前の時間帯に散歩するようになった。
ほんの数十分の散歩でも、50メートルも下ると空気やエネルギーの変化を感じる。
拠点探しをする時は、駅やスーパーへの距離など利便性を重要視してしまいがちだけど、「自分に合う標高の高さ」も意識すると良い気がする。
標高が高ければ冬は寒いけれど、メリットも大きい。
夏が涼しいだけでなく、例えば、害虫に悩まされることも少なくなる。別荘地での暮らしというと聞こえは良いが、蚊やムカデなどに悩まされることを覚悟していたので、これは嬉しい誤算だった。
何を重要視するかはもちろん、自身のライフスタイル次第。
標高が高い場所に住んだからといって必ずしも富士山が見えるわけでもないし、低い場所の眺望が悪いわけでもない。
特に八ヶ岳の冬は寒い。都会のアスファルトのような冷たさではないけれど、自然の偉大さを容赦なく突きつけてくる厳しい寒さだってある。
でも、そんな八ヶ岳の冬が私は好きだ。冷たい空気がパリッと張り詰めていて、体の中までシャキッとする感覚がある。
八ヶ岳の季節の中で、一番好きな季節かもしれない。
標高の高さを感じながら、自然の音を聞き、空を見上げ、静かに流れる時間を感じる。そんな八ヶ岳が好きである。山頂に近いエリアには、特別な空間があるようにも思う。
冬は寒いのだけれども。
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