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note1:ゲームの企画書を書く目的

ゲーム業界歴10年目。ディレクターをやってます。
仕事上、学生さんの企画書を見たり、同じ会社のメンバーに、企画書の作成を依頼しています。そんな私も昔は自分で企画書を書くことが多かったのですが、最近は年に2~3回書けば多い方で、めっきり数が減りました。

で、初心を忘れない為に、
改めて企画書を「作る時に大切にしてる要点」や「他の方の企画書をどんな観点で見ているか」をnoteにしておきます。


このノートには何が書かれているか?
「ゲームの企画書で大切にしてること」というお題で、何回かに分けてnoteに記載します。今回は「企画書を作る目的」についてです。
 ー企画書作成の目的 ←今回
 ーページ構成
 ーフォント
 ー画像
 ー作成時の具体的な手順
 ーよくある個人的に△な企画書


企画書作成の目的
企画書の目的は、業務用か就活用によって大きく異なります。

◯業務用
-自分の企画案、または依頼された要件を書面にし、社内/社外の1人以上の決裁者から承認を取り付けること
-会社、決裁者、時期ごとに、前提(予算、ジャンル)が異なるので、集められる限りで、何が求められているか?を整理してから、企画書にする。

◯就活用
-自分の企画案を書面にし、企業の採用担当者から、内定または次選考の権利を取り付けること
*企画書の評価だけで、内定を出す企業は無いと思いますが、書類選考時の評価は基本、次の選考担当者に引き継がれるので、企画書が優れていると内定に繋がるのは事実だと思います
-業務用と大きく異なる点は「予算」や「売上」といったお金に関わる部分は、就活用の企画書に求められてないです。


企画書作成のどこを見ているか
企画書の目的とは逸れますが、私が普段企画書を見ている観点も書いておきます。大きく分けると
「言語化能力」「ページ構成」「発想の広さ・深さ」を見ています。

「言語化能力」
自分の企画案、システム、ゲームフロー、アイディアなんでも良いのですが、それらを正確に文章にする能力です。書いてあることが伝わるかどうかですね。

「ページ構成」
書類としての完成度、情報量の度合、提示する順番などが適切かを見ています。言語化が適切に出来ていても、やたら長い説明、スライドごとに見ると理解できるが、その要素が入っている意図が、別の箇所を読まないとわからないなどが、バットケースです。

「発想の広さ・深さ」
書いてある企画案が、ワンアイディアで終わっておらず発展性・拡張性があるか。市場の商品と比較して差別化されているか。

簡単に、「言語化能力」と「発想」だけで図にしてみると
・・・こういったイメージです。

エリア分けすると、こんなイメージですかね。
で、皆さん「完成品エリア」を目指して企画書を書くんですが、能力や時間などの理由で、別のエリアに不時着してます(私も含め)
なので、企画書を作り始めて間もない時は、いきなり右上端を狙うのではなく、下の★が付いているエリアを狙うくらいが丁度良いです。

なぜかというと「発想」の要素が強く、奇抜な案というのは、簡単に出せます。例えば、「耳かき」が主人公のゲームは見たことないので奇抜です。が、それをゲームとして魅力ある状態にするのはかなり難易度が高いです。「発想」が奇抜であればあるほど、誰も見たことが無いものを言葉や絵で伝える必要があるので、仕上げる為の難易度は上がります。

自分の言語化能力や、ゲーム構成能力が成長するにつれて徐々に右端を目指していくくらいが丁度良いと思います。

最後に話が逸れましたが、今回はここまで。


 ー企画書作成の目的 ←ここまで
 ーページ構成 ←次回予定
 ーフォント
 ー画像
 ー作成時の具体的な手順
 ーよくある個人的に△な企画書

次回は、ページ構成に触れたいと思います。

余談

学生さんの企画書を見ていると「書かされている」なという企画書を多く見ます。もしくは、まだ書ける準備が整ってないのに、就活の時期になって慌てて、書いたのか、イマイチの出来になっているものを多く見ます。中には、せっかく着眼点が良い、まだ見たことのないアイディアを書いているけど、システムが破綻している、1アイディア止まりになっている非常にもったいない企画書を見てきました。
仕事でもそうですが、初めてやることは基本、うまくいきません。運が良くて60点、大体が基準以下のものができあがります。
何事も、練習や準備が大切です。

以上

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