見出し画像

note2:ゲームの企画書のページ構成

ゲーム業界歴10年目、ディレクターをやってます。
複数回に分けてゲームの企画書を書く時に大切にしている要素を伝えていきます。今回はページ構成について話したいと思います。


このノートには何が書かれているか?

-ゲームの企画書を書くときに大切にしてること
 ー企画書作成の目的 ←ここは、note1
 ーページ構成 ←ここまで
 ーフォント
 ー画像
 ー作成時の具体的な手順
 ーよくある個人的に△な企画書


ページ構成

企画書を書こうと思ったら、まずテキストで、企画書の設計図を作ることをおススメします。下のようなイメージです。

例)
-表紙
 〇〇〇〇
-企画概要・UX
 △△△△△
-ゲームシステム
 ◇◇◇◇◇◇
-ゲームサイクル
 ●●●●●●●●●
-Appendix
 ??????

これでざっくりページ数や各ページに何を記載するか整理できると思います。
※若干話はそれますが、たまに「企画書に、〇〇のページは合った方が良いですか(世界観、操作方法、マネタイズなど)」という質問を受けます。私なりの答えですが「決裁者が誰なのか」と「企画概要・UX」によって変える必要があると思ってます。
note1でも書いた通り、企画書は、何かしらの承認を得る(相手を動かす)為の手段であり、ページ構成は、その具体策の1つです。相手がそのページを見て、もしくはそのページが無かった場合、マイナスに受け取られるのであれば、追加するし、不要なら削ります。もう少し具体的に話しは、
「よくある個人的に△な企画書」で話せたらと思います。

ここで重要なのは「読み手に与える情報の順番」を意識することです
読み手が企画概要を理解する上で、必要な情報が、適切な順番で提示されているかをよく考えてください。少し分かりづらいので、例を出します。

ゲーム"サイクル"が特徴的なお料理ゲームの企画書のページ構成
 -表紙
 -企画概要・UX
 -ゲームサイクル
 
-ゲームシステム
 -Appendix

ゲーム"システム"が特徴的なお料理ゲームの企画書のページ構成
 -表紙
 -企画概要・UX
 -ゲームシステム
 
-ゲームサイクル
 -Appendix

ものすごく単純な例ですが、ページ構成が整理されてないと、各ページに書かれていることが、どんなに優れていても、情報が飛んだり、前提にズレが生まれ、読み手が理解できません。
私もお仕事で、企画書を見るときは、まずはじめに、このページ構成をチェックします。「どういう流れで情報が展開されるのか」がまずあって、次に、詳細の各ページの情報を見ます。

ここまでで、企画書の設計図(ページ構成)が大体決まります。
次に、設計図に従って各ページの内容を肉付けしていきます。
ページによって載せる要素は違いますが、このステップでもまず、ページの設計図を作ります。

ゲームシステムのページ構成の例

このステップは、テキストであらかじめ決めていた内容を各スライドに置いていきます。このスライドに置いていく際、自分の中で、レイアウトパターンをいくつか持っておくと、作る時間を短縮できます。
例えば、ゲームサイクルを説明するページを書こうと思った時に

タイプA:3つの状態を循環するゲームサイクル
タイプB:6つの状態を循環するゲームサイクル
タイプC:12の状態を一方方向に進むゲームサイクル

上のようなタイプによってそれぞれ、最初からページ構成のパターンが自分の中にあると便利ですね。私の場合、画像は、後からどんな絵を入れるかだけをテキストで残しておきます。

※ネットで調べるとページ構成のサンプルが多く公開されてます。これらを無作為に眺めたり、収集するのではなく、自分が頻繁に作る、または作成に時間がかかるページが何なのかを理解し、目的をもって、収集し、事前にグルーピングして整理しておくと、便利です。
「ゲームサイクルを伝える為のレイアウト」に絞って色んなサンプルサイトを見てみると、新しい発見があるかもしれません。

今回のノートはここまで
-ゲームの企画書を書くときに大切にしてること
 ー企画書作成の目的 ←ここは、note1
 ーページ構成 ←ここまで
  -言語化能力 ←次回予定
 ーフォント
 ー画像
 ー作成時の具体的な手順
 ーよくある個人的に△な企画書

次は、各ページの文章について
「言語化能力」の側面から触れたいと思います。

余談
今回のノートはページ構成について話しました。
私の感覚だと、この手順が終わると、企画書作成の7割くらいが終わった感じがします。私が企画書を書くときも、この企画書の設計に、一番時間をかけている気がします。ページ構成だけ、私がやって、後は他の方に任せることもあります。
記事の中でも触れましたが、どんなに優れたアイディア・世界観・グラフィック・ゲームサイクルでも、正しい順番や必要な前提知識が揃って、初めて、相手に内容が伝わり、そこから企画の優劣の判断が始まります。
まずは情報を正しく(モレなく、ズレなく)伝えることが大切です。
正しく伝えた上で、企画が「面白くない」のであれば、その案を練り直したり、誰かと一緒に考えなおしたりできます。

以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?