支配者スイッチ チュートリアル

こんばんは、闇と光の伝道師、愛を叫ぶじゅにーです。

皆様、かの有名な青い猫のロボットが活躍する漫画でこんな道具があったことをご存じですか?

「どくさいスイッチ」

気に食わない人間を居なかったことにできる道具で、最終的には全人類を消してしまい、孤独の中反省しているところにみんなが帰ってくるという、独裁者に対し教訓を与えるための道具です。

でも、今はちょっと時代が違いますよね。そこで新しい道具が開発されました。

その名も「支配者スイッチ」です。

支配者の立場に立って、人民をどうやって支配していくのかを体験することで支配について学ぶための道具です。それにより簡単に支配に飲み込まれないようにするための教材です。

悪用されたりしないか心配って?大丈夫です、すでに古いやり口なので通用しないか対策が取られていますので。

最先端ともなると現在進行形なのかもしれませんが。

まあグダグダ言ってても始まらないですし、チュートリアルだけでもやってみましょうよ。

それではポチっとな!






「閣下、ご機嫌麗しゅうございます。わたくし今回の支配者講義を担当させていただくヨシヒコと申します。よろしくお願い致します。」

「うむ、名前にやや違和感があるがよろしく頼む。」

「では閣下にお聞きします。円滑な支配のために必要なものは何と心得ていらっしゃいますか?」

「支配か…。人が人を従えようというのだ、並外れた何かが必要だろうが…」

「では質問を変えまして、生きていくために必要なものは何と心得ますか?」

「水と食料だな。それでは食料を牛耳れば支配が容易になるか?」

「閣下、食料は天の恵み。簡単に手中には収まりますまい。」

「ならば何とする?」

「食料もそうですが、衣服・住居など生きていくためには必要なものが多くございます。」

「しかし、その全てを管理下に置くのはさらに困難なのではないのか?」

「さようでございます。また民にも食料を生み出す者、衣服を作る者、家を建てる者など様々な生業を持つ者が居り、それぞれが物々交換を行い必要なものを手にしております。」

「して、どうやってそれを手中に収めるのだ?」

「お金という、物やサービスを推し測る物差しを用意して、民の生み出す業に明確な価値基準を持たせるのです。そして民の業に対し対価としてお金を渡します。」

「理屈は分かるのだが、それでどう支配する?そもそもそんな物を信じさせ受け取らせることが出来るのか?」

「お金に関しては支配者たる閣下が価値をお認めになれば良いのです。例えば、望みとあらば金1枚で米1俵との交換を保証する、など申されれば良い。」

「なるほど、お金とやらにしっかりと価値を与えてやれば良いのだな。して、その後は?」

「何を得るにしても必ずお金の仲介が必要な仕組みを整えまする。お金は閣下が望みのままに生み出せばよろしいかと。」

「なるほど、生きていくうえで必要なものをお金というものにすり替え、お金を牛耳れば良いのだな。」

「御意。」

「お金そのものは余が民に貸し与えるのであろう?ならばそれの利用の際に手数料を取るのはどうだ。」

「閣下、その意気でございます。消費税とでも名前を付け、大いに搾取なされますよう。」

「民の生活をお金に依存させ、余は高笑いしていれば良いのだな。なるほど、支配のためになんとも便利な道具ではないか。」

「もし閣下に牙剥く者が居れば、その者に対しお金の使用を禁ずるだけで生活が成り立たぬよう追い込むことも可能です。」

「むむ、使い方次第でどうとでも出来るのだな。」

「軽度な罪を犯した者であれば、お金を没収すれば犯罪の抑止効果もあるかと存じます。」

「そんなことも可能となるか。」

「閣下は、思いつくままに生活の中でお金が必要となる暮らしを構築していき、時に搾取する口実を用意しておけば、それだけで安泰でしょう。」

「あい分かった!そちに褒美を取らす。下がってよいぞ。」

「ありがたき幸せに存じます。」



資本主義の始まりですね。


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