ふなやまきょうこ

今の家の、今の暮らしが好き。 心が動いたとき、文章・短歌を書きます。 津和野町教育魅力…

ふなやまきょうこ

今の家の、今の暮らしが好き。 心が動いたとき、文章・短歌を書きます。 津和野町教育魅力化コーディネーター育休中、二児の母。

マガジン

  • ひとりごと草子

    自分のふりかえり、今だから言葉にできること。

  • 家と暮らしと日々のこと

    日々の暮らしの何気ない風景や、心が動いた瞬間を綴る場です。

  • ツコウ[T-PLAN|総合的な探究の時間]舞台裏

    島根県津和野高校の総合的な探究の時間をどのように設計しているのかを綴ります。導入・意図・運営方法・起きたドラマ…など。

最近の記事

世界に輪郭を溶かしたい

ある雨の週末、カフェで雑談しているとき。 私はある人を「ピュア」と表現した。 その場で少し違和感を覚えたが、その正体を掴めず、おしゃべりに興じてカフェを出た。 そのまま数日忘れていたが、今日厚揚げの豚肉巻きをフライパンで転がし、タレを流し込んだところで「無知」という言葉が浮かんだ。 あ、あのとき私は、「ピュア」という言葉に「無知」という意味を含ませた。 そうしながら、悪口に聞こえないように耳障りのいい言葉を使ったのか。 ざらりとした。 その目線を持つ自覚があったから。

    • 続・拝啓、私の中のあなたへ。

      2年前、私の中にいた小さな小さなひとは、無事に産まれてきてくれました。 何度も眠って起きて泣いて笑ってたくさん食べて、本日12キロにもなりました。 私と夫が考えて考えて考えて、結局直感でこれしかないと決めた名前を、既に何百回何千回と呼ばれたね。 今は世界を信頼しきった表情で、すべすべの大きなピンクの恐竜を抱きしめて眠っています。 おしゃべりがとっても上手になったけど、扇風機を「どんぴーぴ」と呼ぶことにはいまだに笑ってしまいます。 「ジャングルぐるぐる」を踊るときの右足のく

      • 第一回「かもしれない。ラボ」

        「街の一人一人が熱い想いを秘めている人たちなんだと思うと、“え、世界、平和じゃない?”ってふつふつと思ったりして。みんな頑張ってるし、一生懸命生きてる。」 インターネットラジオ『チャポンと行こう!」の中で、パーソナリティーのよしべさんが語った言葉(一部抜粋)です。 初めての試み「かもしれない。ラボ」を終え、こんな気持ちになったので引用しました。 この文章は、私が久々にイベントを企画してみて感じたことや考えたことを、徒然なるままに書いたものです。 「かもしれない。ラボ」

        • 拝啓、私の中のあなたへ

          不安定な情勢と猛暑が続きますが、お元気ですか。 今日は38週2日目。「いつ産まれてきても大丈夫」と、先週太鼓判を押されたところです。 おなかにあなたを授かって、私は自分が「動物」だと思い知りました。 DNAが「生き物として次はこうだ」と示すまま、進まざるを得ません。 おなかの皮膚がひっぱられ、どんどん体重が増えていきます。ホルモンの乱高下に精神状態は左右され、勝手に涙が止まらなくなり。食べられるものも、心地いい姿勢も、寝返りの可否も、自分ではどうにもできません。 「私」が

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        • ひとりごと草子
          3本
        • 家と暮らしと日々のこと
          2本
        • ツコウ[T-PLAN|総合的な探究の時間]舞台裏
          3本

        記事

          津和野総探2020【T-PLAN】2年プロジェクト活動28種

          島根の西端津和野高校コーディネーターめありが、総合的な探究の時間【T-PLAN】2020年度2年プロジェクト活動について綴ります。 ▼津和野高校総合的な探究の時間【T-PLAN】 全体・概要・目的についてはこちら プロジェクト活動の概要津和野高校の2年生が、個々の興味関心に応じたプロジェクトに取り組む。その種類やジャンルは多岐にわたり、2020年度は28種のプロジェクトが生まれた。半年~1年間かけて実施。 プロジェクト活動とはさまざまな定義があるが、2020年は以下のよ

          津和野総探2020【T-PLAN】2年プロジェクト活動28種

          津和野高校総合的な探究の時間【T-PLAN】全体像と5つの特長2020

          島根の西端津和野高校コーディネーターめありが、総合的な探究の時間【T-PLAN】2020年度の実践について綴ります。 津和野町・津和野高校紹介津和野町は、人口約6800人の山陰の小京都。 「まち全体が学びの場」と銘打ち、教育コーディネーターが保育・小学校・中学校・高校を合わせて8名在籍している町でもある。 津和野高校は、「やってみたい」を「やってみる」にする学校だ。 全国から入学生を募集する地域みらい留学を実施しており、2021年現在、在校生の1/4以上が県外生。学校内

          津和野高校総合的な探究の時間【T-PLAN】全体像と5つの特長2020

          生きる限り続く変化と7000人分の出会い

           人の心は、日々刻一刻と変化する。  ある日のある人の考えや思いも、今日と同じとは限らない。  そしてその変化は、なんでもない日のちっぽけな出来事がきっかけだったりする。  私は、社会人1年目の1年間、小さな南の島の高校で働いた。その生徒数は当時全国に約7000人。彼らは入れ替わり立ち替わり、南の島を訪れ、初めて出会うメンバーと1週間限定のクラスメイトとなり、共に過ごす。  彼らは様々な背景を持ちながら、そこにいた。  長くて濃いつけまつげを落とした深夜、生きてる意味が見

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          人見知り園児の現在地

           「すぐ馴染んだね」「人見知りせんねえ」  島根に来てから5ヶ月経ったころ、こんな言葉をかけていただいた。  人は変われるのだとつくづく感じる。  なぜなら、5歳のころの私は、幼稚園で2人の幼馴染としか話せない「THE・人見知り園児」だったから。  幼稚園もも組だった年、焼きいも大会の日に抱えた膝を時折思い出す。  その日は幼馴染のアイちゃんもサエちゃんもお休みで、私は一人で焼きいもをほおばっていた。膝の上にあごをのせ、小さく真っ赤なアカムシがつま先の間を行ったり来たりする

          人見知り園児の現在地