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迷った時の拠り所|森博嗣|読書

本屋さんで平積みされていたこの本。色とりどりの本に囲まれている中に、白い表紙のこの本がぽつんと存在していて、まるでこちらをじっと見つめているような佇まいだったので思わず手に取ってしまいました。やられた。

森博嗣さんの喜嶋先生の静かな世界/単行本

大学4年生の卒業研究で、喜嶋先生と出会い、プログラミングの研究にのめり込んでいく主人公の物語です。

わたしは理系出身で卒業研究を経験しましたし、修士課程や博士課程の先輩や友人の姿を見てきました。主人公の境遇がよく分かり、そうだよね、そうだよね、と共感しながらテンポよく物語が進んでいきました。

主人公が成長して視座が高くなった時に悟った次のシーンが、ぐっときたので紹介します。

学問に王道しかない ―(中略)― どちらへ進むべきか迷ったときには、いつも「どちらが王道か」と僕は考えた。それはおおむね、歩くのが難しい方、抵抗が強い方、厳しくて辛い道の方だった。困難な方を選んでおけば、絶対に後悔することがない、ということを喜嶋先生は教えてくれたのだ。

p211
かなりストイックですが、、、

そうだよね。迷った時の判断軸を持っているのってめちゃくちゃ心強いですよね。開き直りだろうがなんだろが、立ち止まっていないで次に進むことができるって、すごいアドバンテージだと思いました。

実は、わたしにも迷った時の判断軸が明確にあります。だから読書していて気持ちをくすぶられたんだなと。大好きな宇宙兄弟のワンシーンもしれっとご紹介。

迷った時はね 「どっちが正しいか」なんて考えちゃだめよ―(中略)―「どっちが楽しいか」で決めなさい

宇宙兄弟 小山宙哉 5巻 #39

どちらの名言にも共通点は、成功しようが失敗しようが、自分の想いには正直に従って、後悔しない選択肢を選ぼう、ってことだと思います。

判断の軸は人それぞれですし、同じ人でも環境や時期によっても変わってくるものですよね。だから、判断の軸以上に大事なことは、自分の心のポジティブな声に耳を傾ける心掛けをしておくことなんじゃないかとも思います。

ときどき自分のこころを開放してあげよう。

じんわりきた喜嶋先生語録がまだあるので、また今度ご紹介します。

おわり。


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