【第19話】人は人のために生きてない

僕は妻が助けを求めたら場所が何処であろうと
その場所に駆けつけたのだった

僕は死にゆく友が苦しんでいたら
何も出来ないけど
僕と一緒にいる時間は
笑わせる為の行動を取ったのだった

僕は同僚が残業ばかりで辛ければ
他の人にも頼んで仕事を分散させたのだった

でも最近わかった
皆、そんな風には生きてないし
それほど人間に興味を示さない

いや

それほど僕に興味を示さない

僕が精神疾患で心療内科に行こうとも
妻はついてこない、自分の睡眠が重要な様だ
友達と遊ぶ時間は丸一日使うくせに

友は僕が苦しんでいようとも
何も出来ないから何もせず
気まずそうな顔をして黙っているだけだ
その癖自分の愚痴は聞いてもらいたい様だ

同僚は僕がめったにしない残業をしようとも
何のアクションもなく
「無理しないで」とか面白くも何ともない言葉を残し
定時で帰っていくだけだ
そしてそいつらは言う「私は精一杯頑張っている」と

時間の無駄とは
そういう人間のスピードに合わせる行為だ

僕はもう時間を無駄にしない

無駄な人間とは付き合わない

無駄な人生を送らない

うつやADHDの症状と付き合っていくだけで
僕はすでに精一杯だ

もしくはこのまま死ぬだけだ