手紙

ご無沙汰しています
お元気ですか

私はぼちぼち
元気ではありますが
自分の生き方に疑問を抱き
心の底から
笑えない日々が
つらつらと続いています

そちらは暖かいですか
そちらは朝とか夜とかあるのですか
そちらは住所はあるのですか
そちらはお花は咲きますか
そちらは恵みの雨は降りますか

こちらは冬真っ只中で
とても寒く
今年は雪が多いです
なので夜は
街灯が雪に反射して
夜なのに明るいです
不思議でしょう

そういえば
雪の積もった景色を
間近で見たことありますか
とても綺麗なのですよ

朝から晩まで
自然の恵みと悪戯相手に
お仕事をしていた働き者のあなたに
見せたかったなと胸がきゅっとしました

そちらではあなたはあなたのままですか
そちらでは私の事考えますか
そちらでは土を触っていますか
そちらでは涙を流しましたか
そちらでは笑顔でいてくれますか

遠くで暮らしていた私達は
なかなか会うことが出来ませんでしたが
私の中に心優しく自分に厳しく
働き者のあなたの血が流れていると思うと
嬉しくてたまらないのです

あなたの考えや感性を
次の世代に伝えていきますから
安心してくださいね

そちらではお祖父ちゃんに逢えましたか
きっと逢えましたね
愛し愛されていましたものね

私はさみしいです
でも辛くはありませんよ
私の中に記憶の中に
ちゃんといてくれるから

強がりました
本当は辛いよ
また逢いたかった

愛しています
心から

雪の降る夜の町から